米国市場ではグーグルの親会社のアルファベットが、反トラスト法(独占禁止法)違反をめぐる裁判で事業分割を回避出きたことを好感し、9%の大幅上昇となりNASDAQを牽引しました。ビッグテックの大幅高は久しぶりですが、伏線は長期金利の低下です。
4.1%台まで下落した背景は労働市場の冷え込みです。米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数は718万件と2カ月連続で減少し、市場予想も20万件ほど下回りました。
注目すべきはこの結果、7月は失業者1人に対する求人件数の割合は0.99倍となり、1倍を割り込むのは2021年4月以来で、失業者急増の新型コロナウィルスの流行期を除くと第1次トランプ政権下の18年2月以来7年半ぶりの悪さであります。
同指標は3年前の22年に2倍を超え、労働市場の強弱を示すデータとしてFRBのパウエル議長がたびたび言及して来ました。現状のこの指標では失業者全員をカバーできないほど労働市場は細っている状況であります。
本丸の雇用統計は今日発表となりますが、ぶれやすい指標だけに予想外な数字には注意が必要か存じます。ただベッセント財務長官指摘の通り、1倍割れの労働市場で利下げは決定的であり、遅れた分を取り戻す0.5%が必要かと思われます。
金利に関しては日銀も難しい立場であり、先日の氷見野副総裁の講演でも個人消費に弱さが示され、更に関税の影響はこれから顕在化することから先走りもできない中、ベッセント財務長官からの円安牽制と取れる発言も伝わります。
トランプ政権の為替の許容水準は、今までのベッセント財務長官と植田総裁の数回の会談か150円がリミットかと思われます。いずれにしてもビッグイベントを前に、主力株は動きづらい展開が続きます。
利上げを織り込んだ金融株は既に失速しているあたりは不透明さを象徴しております。昨日の大幅高も先物主導で値嵩株3銘柄で日経平均を半分以上動かしておりました。傍ら、個別銘柄は超元気です。フットワークを考慮しこの方針を貫きましょう。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。