先週末、米国では注目の雇用統計が発表されましたが結果は惨憺たる内容です。非農業部門の就業者数は2.2万人増、市場予想の8万人からの大幅乖離となり、6月分も下方修正で減少に転じました。
更に就業者の減少は新型コロナウィルス禍で混乱した2020年以来、それを除けば2010年9月以来、15年ぶりだそうで、加えてFRBの重視する失業率も悪化しております。パウエル議長もこの結果は想定していなかったと思われ、今回はトランプ大統領のToo Late(遅すぎる)が正しかったようです。
当欄でも過去に指摘しましたが、パウエル議長はコロナ禍以降の金利上昇を一時的と誤認し、結局利上げの判断を遅くらせインフレを長引かせてしまいましたが、今回も労働市場の判断を誤り利下げの決断が遅くなってしまい、米国経済を景気後退のリスクに晒している状況とも思われます。
米国市場では、今までバッドニュース・イズ・グッドニュースとしてマーケットは織り込んでまいりましたので、先週末の雇用統計は利下げを決定的にする内容であっただけに、株価は上昇で織り込むかと思いきやそうはなりませんでした。
利下げを決定的にする雇用に関する先週1週間の指標から、これからは関税の影響も考慮しつつ景気後退をともに考えていかなくてはならない、更に難しい金融政策を遂行しなくてはなりません。現状判断は1歩遅れたわけですが今後のFRBの手腕に期待したいところであります。
さて東京市場ですが、サプライズな雇用統計に米長期金利は4.06%まで低下しましたが、為替では147円台での推移と9月入り以降のレンジ(146円台から148円台)を抜ける展開にはなりませんでした。
待ったなしのFOMCでの利下げは日銀にとっては利上げの必要性減速とも、さりとて方向性の出辛い環境に変わりありません。突然の石破総理の辞任のニュースが入ってまいりましたが、想定通り個別物色の流れが続くものと思われます。
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