悪いことは重なるもので、新興AIアンソロピックの台頭でSaaS関連に強烈な売り圧力がかかり、続いて今回の米国、イスラエルによるイラン攻撃、更にプライベートエクイティでブラックロックによる解約制限(ゲーティング)が出たことで、リーマンショックが投資家の脳裏をかすめたようです。
プライベートエクイティとは一般に馴染みが薄いようですが、銀行が融資できないような案件に対し、ブラックロックやKKR、などが投資家から集めた資金を貸し付ける制度で当然銀行案件よりも貸し倒れリスクが高く、その分高利回りで運用されております。
プライベートエクイティ市場では現在2兆ドル規模に膨れ上がっており、今回のブラックロックの解約制限はプライベートエクイティ市場の一部ストレスが表面化したシグナルとはなりますが、リーマンショックを想定するには程遠いと思われます。
まず、リーマンショック時は銀行・証券会社のバランスシートに不良債権が積み上がり、金融システム全体が連鎖的に崩壊し、信用収縮が一気に波及しましたが、プライベートエクイティ市場は銀行システムとは切り離されており、システミックリスクは限定的であります。
更に、リーマンショック時の銀行は高レバレッジで担保証券を保有していたため、損失が即座に資本不足に直結しましたが、プライベートエクイティ市場はレバレッジが限定的で、損失は即座に金融システムに波及しません。
また、この解約制限(ゲーティング)は流動性の低い貸付資産を保有するため、四半期ごとの解約上限が予め設けられており、今回のブラックロックの一件はそのルールに基づき正常に作動しただけであります。
弱り目に祟り目で、株式市場は非常にナーバスになっているところを突かれたものと思われます。尚、119ドル台まで上昇した原油は102ドルまで下げて来ました。G7各国が備蓄放出に動きそうで、更に中国がホルムズ海峡の封鎖にクレームを付けて来ました。もう少しで先が見えてくるものと思われます。
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