注目のFOMCでは政策金利は0.25%の下げで想定通りの展開でしたが、パウエル議長の会見はずいぶんハト派に見受けられました。労働市場の冷え込みを十分汲み取った内容でありました。
声明文では、労働市場の軟調さや失業率の上昇に言及するとともに、雇用の下振れリスクが高まっていることが新たに示されました。議長会見でも現状の労働市場を利下げの根拠とし予防的利下げであることを強調しました。
ただインフレは依然として高く経済見通しが上方修正される一方で、政策金利の見通しが引き下げられところは少々チグハグで、トランプ政権からの圧力を汲んだのではないかというFRBの独立性に対する懸念もありました。
ビッグイベントはマーケットの期待に沿う形で着地したと見ていいでしょう。年内複数の利下げにも言及しており金融政策は緩和に向かい、株式市場には追い風となりますが、今後は景気との兼ね合いでソフトランディングに向かえるかが焦点となります。
想定通りの米利下げを受けた東京市場は大幅高となり、史上初めて4万5000円台の引けとなりました。日経平均は一時700円を超える上昇でしたが、全面高かというとそうでもありません。
ザラ場高値も一時は値下がり銘柄の方が多い状態もあり、明らかに半導体値嵩株が牽引しており、昨日においては日経平均独り勝ちです。米国市場ではエヌビディアを中心とした半導体株は安かった所を見ると、東京市場も循環物色が進んでいるものと思われます。
東京市場で気になるのは空売り残です。東証の信用倍率は再び株価の底値を窺う3倍台に入りました。この倍率は通常8倍台で高値を示す一方4倍割れで底値と判断され、現状の4万5000円の日経平均では考えづらく、30年以上培ったデフレ脳のなせる業か、売り方は総ヤラレの状態ではないでしょうか…。
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