年間で5000億円超もの規模に膨れ上がった「ふるさと納税」ですが、変革期に直面しています。6月から寄付へのお礼である返礼品に対して、寄付額の「3割以下の地場産品に限定」するという国の行政指導が入り込んできたからです。
この「ふるさと納税」という制度の提案者は菅義偉(かんよしひで)官房長官です。総務相時代の2007年に「自治体への寄付を活用して地方活性化に結び付けたい」と考え、地方税法の改正の中心的役割を果たしました。
傑出した利点は、寄付額とほぼ同額が住民税などから減税される仕組みです。控除上限額内の寄付であれば寄付の合計額から2000円を差し引いた額が、翌年収める住民税や所得税から控除されます。
ふるさと納税の寄付額は急激な上昇となっています。初年度の08年は81億円でしたが、15年度は1652億円、17年度は3653億円、18年度は5127億円と60倍超と目覚ましい進歩となっており、利用者も18年度は400万人近くまで増えています。
ここまで「ふるさと納税」が成長したのは、返礼品が寄付への関心度を高め、欲しいと思う返礼品を簡単に検索できるサイトが充実したことです。
サイトは、約1400の自治体を扱っている「ふるさとチョイス」を筆頭に「楽天」「さとふる」「ふるなび」「ふるぽ」「Wowma」「わが街」など10社以上存在しており、その運営は民間会社で手数料は寄付額の15〜20%程度に上ります。
総務省は、6月からの規制強化で「経費は寄付額の5割以下」との制約も加えました。手数料などの経費の増大にタガをはめる意味合いです。
足並みが揃わない国、自治体、サイト運営会社の3者が一致団結できるかどうかが、今後の「ふるさと納税」の命運を握ることになりそうです。
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