個性豊かなドナルド・トランプ前大統領の4年に渡る任期が、先週20日終了し退任した。米国第一主義を掲げ、社会の分断も顧みず、支持者を鼓舞するトランプ劇場との表現がぴったりであり多く火種を残しての退場となりました。
確かに新型コロナウィルスの感染拡大が起こる前の2020年2月までは、10年8ヶ月と過去最長の景気拡大を記録し失業率も3.5%と50年ぶりの低水準、株式市場も最高値と、経済政策に限っては世論の支持も比較的高かったようです。
しかしながら、自ら2国間ディールにこだわるトランプ氏はTPP、パリ協定、イラン核合意など、次々と多国間の枠組みや条約から離脱し、国際協調軽視の姿勢を貫いた。
更に、トランプ氏は人種間の分断も助長した。2020年5月に起きた白人警官による黒人男性の暴行死事件は未だ記憶に新しい事件ですが、トランプ政権のその対応の悪さが全米でのデモに発展し、そこの白人至上主義を掲げるグループとの対立にまで発展しました。
また、テロ対策と称し、イスラム諸国からの入国制限措置も強行しました。米国の革新的成長企業は東南アジア、インドなどの、極めて優秀な人材の多様性を取り込み発展してきており、トランプ政権の4年間で大きく揺らいでしまいました。
トランプ大統領就任当初から話題を集めた、不法移民対策の柱であるメキシコ国境の壁の建設は720km完了したと喧伝しておりますが、新しく建設したのはその1/9で、ほとんどは既存の壁を修復したものだそうです。
こう見てくると、相当荒らしまくって次期政権に政権移譲ですから、バイデン大統領は相当難しい舵取りを迫られそうであります。
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