外人投資家は大発会から始まった週も、東京市場で3千600憶円に上る買い越しを記録いたしました。
相変わらず、コロナ禍でも効率よく稼ぐ企業、テーマ株にも物色意欲を向けているようですが、新たな視点として長期的な企業のガバナンスの改善から、社長はじめ経営陣の若返りに資金を向けているファンドも見受けられます。
日本企業の社長の高齢化は毎年進んであります。1990年54歳だった社長の年齢は、昨年は59.9歳まで上昇しております。経験豊かな一面もありますが、変革の速い社会では高齢化は様々なリスクを内包しております。
危機に直面した時のフットワークの軽さ、意思決定の迅速さなどが疑問点として挙げられ、その傍ら若い世代の経営陣の新しいマインドによる経営の舵取りは、より良い経営変革の可能性が高まるとの評価が得られます。
日経新聞の取材で、シンガポールに拠点を置くヘッジファンド、ひびき・パートナーズは電子部品の「日本高純度化学」に投資しておりますが、投資の決め手は70代80代の取締役が多い中で、48歳の生え抜きの経営企画部長が取締役に抜擢された、前例のない人事だったそうです。
また大型船の発電用エンジン大手「ダイハツディーゼル」の新しい社長の堀田佳伸氏は54歳で社長に就任し、10歳以上の大幅若返りが実現し、これも買いのきっかけとなりました。
ニッセイアセットマネジメントの吉野貴晶・投資工学開発センター長が、東証一部で取締役の平均年齢が低い2割と、高い2割で2015年から2020年までの株価リターンを調べたところ、年齢の低い企業が、高い企業を年間7.4%上回っていたという調査結果が出ておりました。
若い経営者が多く育つ米国で、GAFAのような革新的国際企業が盛んに育ち、20年前と時価総額トップ企業の顔ぶれが、ガラリ一変しているのもこの辺のお国事情が関わっているからであります。
現状のコロナ禍という前代未聞の経営環境のなか、更にタフで迅速な意思決定が求められます。経営陣はやはり若いに越したことはないでしょう。
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