インドネシア中央銀行は先日、自国通貨ルピアのデノミ(通貨呼称単位の変更)を検討していることを明らかにしました。2020年頃に現在の1万ルピア(約100円)を、1?10ルピア程度にしたい考えのようです。
中銀案では、現在のルピアからゼロをいくつか落とした紙幣と硬貨に「新通貨」と明記して13年から発行。約3年間は新旧のおカネを併用し、商店などには2種類の値段を表示するように促す。
16年から旧紙幣を回収し、20年ごろから「新通貨」と表記しない新単位の紙幣と硬貨を流通させるとのこと。ルピア相場は1ドル=約8900ルピアとケタが大きい。物価上昇率が比較的低水準で、政治も安定している今ならデノミが可能と判断したようです。
また、このデノミ案には、東南アジア諸国連合(ASEAN)が共同通貨を導入するための準備の意味もあると云います。アジア全域を対象とした自由貿易協定(FTA)の実現には通貨安定が大前提であり、アジア通貨単位(ACU)を導入し、これに対する各国通貨の乖離率を一定範囲に抑える為替協調体制の構築が課題です。
2世紀前まで世界経済の中心はアジアでした。19世紀に欧州、20世紀に米国に中心が移り、いま再びアジアの時代が始まろうとしています。アジア域内で通貨が安定すれば貿易と投資が飛躍的に拡大し、不均衡が改善され、アジアルネサンスが開花することになるでしょう。
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