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“株のソムリエ”からの勝ちの連鎖術!

2022年5月アーカイブ

徐々に崩れるマクロの三大悪材料。

  

米国市場は9週目にして大きく反発、個人消費支出物価指数が前月比鈍化とともに、個人消費支出が市場予想を上回る堅調な数字が出るたことで、インフレにピークアウト感が台頭したと同時に、個人消費は相変わらず堅調であることが各数字から窺え、投資家心理は大きく改善いたしました。

 

更に、このところタカ派色が強かったFRBが、拙速な利上げに対しオーバーキルを懸念し始め、FRBの高官の中でも景気に気を遣い始めているようです。

 

アトランタ連銀のボスティック総裁は「67月に0.5ポイントずつの利上げを行った後、インフレと経済への影響を精査するため利上げを停止することは理に適う」、更に、セントルイス連銀のブラード総裁は「利上げが奏功すればインフレを鈍化させ、2023年に利下げに動くこともあり得る」と少々驚きの発言をしました。

 

物価面でのFRBの認識は明らかに変化して来ており、更に、今週末の雇用統計でも市場予想は非農業部門雇用者数が前月比32.9万人増、失業率は3.5%、問題の平均時給は前年比5.2%増の予想ですが、物価同様各指数からは過熱感の緩和の兆しが出て来ると思われ、いよいよマクロの三大悪材料の最大の一角が解消に向かう見込みかと思われます。

 

三大悪材料の二つ目の中国も、上海のロックダウン(都市封鎖)が解除されることが決まり、6月からはサプライチェーンの寸断も解消に向かうと思われます。更に、三大悪材料の三つ目、ウクライナ情勢ですが、これははっきり申し上げて計り知れません。最新鋭の武器が西側諸国からウクライナに提供されておりますが、直近でのロシアも攻め方に頭を使うようになったらしく、ウクライナ有利とも言えない状況のようです。

 

ただ、これは再三申しております通り、長引くのは既に市場のコンセンサスとなっており、人の殺戮は悲惨ではありますが株式市場にとっては現状以上の悪材料には発展しないと思われます。

 

抜けない27000円に壁は大きく見えますが、抜けちゃうと意外と小さかった。相場は結果がすべて、そんなもんじゃないでしょうか。

 

 

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影響力の高い先生方の苦悩。

 

株式市場の先行きにコメントし、評論する先生方はその影響力が大きければ大きい程現状は苦悩に近い状況のようです。なかなか当たらないからです。

 

筆者も商売柄常に見聞を広げるための勉強は心掛け、選り好みせずにセミナー、講演会などにも顔を出しますが、(直近はコロナのおかげでオンラインが多いですが)筆者よりも若い人もいれば、年配の先生もおられます。たまにサプライズな事象もあり、少しでも吸収出来れば弊社のお客様にもプラスに働きます。

 

決して同業だからだとか、筆者よりも経験が浅いからとか、そのような色眼鏡で見る様なことはせず、吸収出来るものは貪欲に吸収し、顧客へのアドバイスに生かします。結果としてお客様が儲かれば弊社の存在意義も上がります。

 

以前、当欄でも結構講演会なども頻繁に実施している先生の「ぶっちゃけトークとして、あまり言うことないよ」という言葉を紹介したことがありますが、その先生だけでなく、最近アナリスト、評論家の先生方のコメントに歯切れが悪いという印象があります。

 

筆者がよく出入りする証券会社でも若い専属アナリストが(正直に?)弱気のコメントばかり並べるのでその証券会社を首になったことがありました。自分がどういう組織に属するか考慮し、しかもコメントも正しく伝えなければならない。

 

難しいですが、中には決して組織に迎合せず自分の意思を貫くコメントをどんな圧力にも曲げずに発信し、結果として何回も転職している優秀な武闘派アナリストもおります。

 

先週の米国市場は9週目にして大きく反発し連続安から脱してまいりましたので、先生方のコメントもキレが戻って来るかと存じます。

 

さて、東京市場は先週来米国市場に比べて底堅いと言われつつも、27000円の壁などと伝えられておりますが、極めて目先のことのように思われます。いずれ抜けて来ますし更に上値を追えると存じます。物知りな相場は底堅い東京市場の先行きを意外と楽観しているのでは…。

 

 

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アルゴに惑わされない少数派ウォーレン・バフェット氏。

  

先週まで8週連続安を演じた米国市場は、今週陽線を引いて記録更新を免れるか注目でありますが、それにしても90年ぶりとは驚きですが、90年前は大恐慌の時代です。今週初めに報告しましたが、当時の大不況とは全く違う環境である現状で、何故記録的な下げとなっているのかという素朴な疑問には、あまり解説が聞かれないのですが、恐らく要因としてはプログラム売買だと思われます。

 

米国でも最近のファンドマネジャーはあまり仕事をしないのか、足を使って企業を実際に取材して銘柄を選定するのではなく、売買プログラムを作成し、AIが最終判断を下すアルゴリズム取引に傾注しております。

 

AIはその時々のキーワードを集め、そこから判断し売り買いの指示を出します。指示を出すといっても人間にではなく、自動的に市場に注文を出しますので、仮に売り注文であれば、その売り注文で値が下がれば、更に別のAIが株価下落をネガティブに判断し、更に売りの指示を出します。

 

じゃあいつまでも止まらないかと言えば、今度はどこかで例えばインフレピークアウト、だとか雇用環境の改善だとか、今度はポジティブなキーワードをAIが判断し、逆の注文を出します。

 

トレンドフォローになりがちですから、どうしても動きが大きくなります。そこを逆手にとって今回も割安株に積極姿勢を貫くウォーレン・バフェット氏は素晴らしいと思いますし、個人投資家には是非とも見習ってほしいと存じます。

 

一昨日弱気の代表格でブリッジウォーター・アソシエーツを率いる著名投資家レイ・ダリオ氏を紹介しましたが、同組織の最高投資責任者のボブ・プリンス氏も「米経済は景気後退とインフレが同時に進むスタグフレーションが目前に迫っており、非常に簡単かつすぐに突入する可能性がある」と強烈です。

 

 

更に、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカも弱気のコメントを出し、「株価は、リセッション(景気後退)入りが明白になるまで底入れしない可能性」と語り、どうもバフェット氏は全くの少数派のようです。

 

まあ、株式投資は何時の世も少数派が勝ちますが…。

 

 

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住宅市場の転機にソフトランディングの芽。

  

米国市場で企業の先行きの業績見通しを下方修正するところが見られます。一昨日のナスダックの大幅安も、SNSのスナップが業績見通しを下方修正したことから株価が40%下落しました。これを受け同じくメタ・プラットフォームズの7.6%、グーグル率いるアルファベットが5%安とNASDAQ安を牽引しました。

 

更に、米国PMI53.8と前月比2.2ポイント減、サービスPMIも製造業PMIもともに予想を下回りました。同時に発表されたユーロ圏のPMI0.9ポイント減の54.9であり、好不況の節目の50は大きく上回っておりますが、一時の勢いが落ち着いて来ております。

 

かたやインフレの方はというと、これまでの物価高を牽引してきた住宅販売に急ブレーキがかかっており、既に新築住宅に先行する中古住宅販売は前年比大幅に減少しており、今まで足りなかった中古住宅が20196月以来の在庫を抱える状況にまでに変わって来ております。

 

更に昨日発表の新築住宅販売でも市場予想75万戸のところ591000戸で、前月比16.6%下回る20204月以来の低水準となりました。それと同時に5.25%にまで上昇している新規の住宅ローンの申し込みも4割減と、明らかに上昇して来た住宅市場に転機を示す数字が並びました。

 

インフレとともにFRBの専任事項である雇用環境は、労働市場の逼迫から求人倍率は1.94倍、完全雇用に近い失業率から賃金インフレが気がかりですが、労働参加率は62.2%と予想以上に減少し、労働者数はコロナ前比で依然として120万人も少ない状況です。

 

昨日のメディアのニュースからも示されておりましたが、55歳以上で労働を諦めた人が、物価高による家計資産の減少から労働市場に戻ってくる事が予想されます。普通の労働者が55歳で労働を諦めるのは少々早いですよね。筆者も66歳ですが今でも現役であります。

 

FRBの難しい舵取りは続きますが、過熱気味の景気が徐々に減速しインフレでは筆頭の住宅事情が転機を迎え、労働環境も人が戻り始め落ち着いてくるソフトランディングの兆しも、もう少しで顕在化して来るのではないでしょうか。

 

 

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米国市場の強弱も、バフェット氏優位か?

  

90年ぶりの8週連続安を演じた米国市場は引き続き注意が必要でありますが、その当時の弱気相場は28ヶ月続いたそうです。一般的に弱気相場とは直近高値から20%下落している期間であり、今回の下落でダウは辛うじてセーフ、SP500は先週末弱気相場入りしましたが、すかさず反発し難を逃れましたがまだ怪しいようです。

 

これだけの下げですから、米国市場の専門家でも弱気の意見が多いようで、その代表格でブリッジウォーター・アソシエーツを率いる著名投資家レイ・ダリオ氏は「米経済は景気後退とインフレが同時に進むスタグフレーションに見舞われる可能性がある」と指摘、IT株を中心とした自らのポジションを閉じていると述べました。

 

 

かたや、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、米国経済は依然として力強く、潜在的な成長阻害要因も不変ではないとの見方を示し、「力強い経済に大きな暗雲がある」と述べ、「暗雲と呼ぶのは、それが消える可能性があるからだ」と続けた。

 

更に、リセッション(景気後退)入りの可能性はあるが、経済に及ぼす各状況が異例の組み合わせになっているとして、過去の景気後退とは異なるものになると述べたそうです。よくわからないので文章をそのまま載せましたが、どちらともとれると思うのは筆者だけでしょうか。

 

ちなみにこちらも著名投資家のウォーレンバフェット氏は具体的に、この波乱相場を好機とばかりに割安株に対し攻めの投資スタイルに転じております。昨年末から現在に至るまでの保有額を320億ドル(約42000億円)増やし、総額は3600億ドル(約472500億円)に達しております。

 

米国の第一線の著名投資家、並びに専門家でも現状の分析には苦慮しているようで、バフェット氏以外のファンドではキャッシュポジションを20%ぐらいまで高めているところもあるようです。

 

過去の歴史から必ず何処かで出動して来ると思われますが、意外と早い時期に再びポジションを取り始めるのではないでしょうか。

 

 

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騒ぐ程でもない米国の8週連続安。

  

米国市場は8週連続安ですね。リーマンショックでもこんな下落はありませんで、遡ること1932年以来90年ぶりの下落記録らしいです。日経新聞が報じておりましたが、その時の下落を経験している投資家は恐らくいないと思うので、肌感覚ではどうも計り知れませんが、現状を見るとそう騒ぐことでもないかと存じます。

 

大恐慌の後ですから、当時は失業者が街に溢れていたようでありますが、逆に今の米国経済は利上げが必要なほど好調です。また、足元一時3.21%まで上昇した米長期金利は2.7%台まで下落しており、米株式市場は90年ぶりの8週連続安で歴史的にもこれ以上織り込みようがないぐらい悪材料を織り込んだものと思われます。

 

またVIX指数を見ても90年ぶりの連続安と騒ぐ割にはさほど上がっておりません。リーマンショック時の80、新型コロナ時の66にも届かず30前後までしか上昇しておりません。

 

更に、当欄でも日本の現状と比較して割高な米国株のバリュエーションには注目しておりましたが、既にかなり調整は進んだものと思われます。

 

突っ込みが大きかっただけに、目先の乱高下はまだあるかと思われますが、今週のFOMC議事要旨、27日のPCE(個人消費支出価格指数)で材料出尽くし感台頭となるではないでしょうか。

 

さて、名実ともに東京市場の底堅さを感じられるようになって来ており、各メディアでも取り上げられるようになって来ておりますが、昨日申し上げた現在支持率の高い岸田総理(インベスト・イン・キシダ)にも起因しているようにも思われます。

 

更に、市場の細部を見るとしばらく出遅れていたグロース市場ですが、こちらにも潮目の変化の兆しが出ているようです。この市場が活気づくと益々東京市場に厚みが増し、魅力が増して来ると存じます。乞うご期待であります。

 

 

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「インベスト・イン・キシダ」物知りな相場の評価は?

 

201020112012年と悪夢の民主党政権で円高は70円半ばまで進み、更に当時の白川日銀総裁の無策ぶりも重なり、リーマンショックで傷んだ日本経済は、何もしない政府と中央銀行のおかげで諸外国以上に相当落ち込み、製造業の多くは国外脱出し、結果として雇用と購買力を失いました。

 

その後安倍政権が誕生しバイ・マイ・アベノミクスを提唱、財政と金融の舵取りから補正予算と大規模金融緩和のセットで円高を脱し、7000円台まで売り込んだ日経平均は2万円台まで回復させました。

 

そして今岸田首相によるインベスト・イン・キシダがロンドンの金融街のど真ん中で提唱されました。岸田首相の掲げるシナリオは、日本の個人金融資産2000兆円の過半を占める預貯金を投資に向わせることで、資産倍増を目指すというものです。

 

それには一時話題になった有価証券譲渡益の課税強化などもっての外、もともと財政健全化派の岸田総理がどうしてこの発想の転換をしたかは定かではありませんが、まさしく朗報であります。

 

また為替の安定については日米金利差が懸念されておりますが、米国のインフレピークアウトも6月の雇用統計、消費者物価指数(CPI)の発表で潮目の変化は確認できるかと思われます。

 

更に、資源高などからの貿易赤字の問題が浮上しておりますが、昨年の貿易赤字は16500億円。これには対応策として旅行収支が貢献しそうです。岸田総理は6月から外国人旅行者の入国制限を緩和する方向です。

 

入国制限をG7各国並みしていくと宣言致しました。新型コロナの発症前の20182019年の旅行収支の黒字は24000億円です。現状の貿易赤字16500億円は十分ペイできる計算になります。

 

相場は物知りです。最近の米国市場を上回る東京市場の強さは岸田総理の考える資産所得倍増に勝機を見出しているのかもしれません

 

 

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急落、急騰を繰り返す先の波高相場は?

  

米国市場の大幅安を嫌気して東京市場もお付き合い、一昨日はザラ場760円安まで売られて引けは500円安でありました。それでも3月の安値はおろか先週の安値すら割っておりませんので、東京市場の底堅さは変わらずといったところであります。

 

朝方から米国の1200ドル安で慌てる投資家の方のご連絡を複数いただきましたが、皆様ご自身の事情に照らし合わせますので、少々冷静さに欠ける内容が多かったと思います。

 

弊社のお客様は信用取引をされている方は少なく、多少建玉があっても余裕度が大きいのでこのような下げでもあまり関係ありませんが、他の問い合わせには担保に絡むご相談も多く、当然相場動向よりも評価損率を基準に考え、担保のやり繰りを優先しますのでどうしてもナーバスになってしまいがちです。

 

従って、下げの背景は消費関連のウォルマートやターゲットの大幅下落から景気悪化懸念にばかり目が行き、米国が今週はSQの週であることも忘れております。東京市場は先週SQで、SQ当日は600円から上昇しましたが、その23日前には1000円幅から売られており、常のそうですがSQに絡む仕掛け的な商いは日常であります。一昨日に続き、昨日もそのような売りが出ておりますが、本日も東京市場の健闘を期待できるのではないでしょうか。

 

米国に比べて東京市場の底堅さは変わりませんが、上げたら下げる、下げたら上げるの繰り返しですので、それでも引き続きこの下値の強さは冷静に押さえていただきたいところであります。

 

しかしながら、外国人投資家が買い始めて、更に国内の機関投資家が参入し、物色対象は見えて来ております。これから横に広がりを見せると思いますが、ロシアのような覇権国家の蛮行は明らかに世界の流れ、経済の流れ、相場の流れを決定付けて来ております。

 

昨日もいち早く押し目買いが入るセクターは絞られつつあり、従って今後も動くもの、動かないものが分かれる波高相場と思われます。難しい相場展開であり、銘柄に迷われたらご相談ください。

 

 

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物知りな相場は、既にマクロの悪材料を消化中。

  

底堅い東京市場に引っ張られる形で米国市場も下値が固まって来たよう思われます。一昨日発表になった米国小売売上高は、予想の数値と同じく0.9%増で前月の0.5%を上回りました。インフレが騒がれ明らかに物価は上昇している米国ですが、個人消費は堅調に推移しており、従って、一番の懸念材料である不景気のインフレ、スタグフレーションは回避できそうです。

 

更に、この堅調な小売売上高の発表で3.21%まで上昇後、2.82%まで下落し落ち着いていた長期金利が再び3%に乗せてきておりますが、それでもNASDAQ2.76%の上昇と、NYダウの上昇幅1.34%を上回りました。ただし、昨日の米国市場の下落は多分に今週のSQに絡む商いが多かったと思われますので、ここは十分注意してください。東京市場も先週のSQ当日3日前に仕掛け的大幅安を演じておりますので。

 

東京市場でソフトバンクグループが、史上第二位の大幅赤字を出して株価底入れ反転となったことで潮目の変化と申し上げましたが、米国市場でも長期金利反転のなかでのこのNASDAQの動きは、東京市場と同じく潮目の変化と捉えてよろしいか存じます。

 

潮目の変化とは何処で起こるかわかりません。しかも何処か大きな変化日が存在しますが、それはプロの投資家にも計り知れません。ただ、物知りな相場は淡々と悪材料を順次織り込み、何時の間にか反発相場へと向かいます。そう言えば、米国のインフレ懸念もCPIPPIにピークアウト感が窺えますし、中国の景気も上海のロックダウンが解除の入り口に立ちました。

 

更にウクライナ情勢もマリウポリの一段落時に、ロシアの退役軍人で大佐であるミハイル・ホダレノク氏が国営放送でウクライナの兵士に対して「祖国を守りたいという思いが非常に強い。戦場での究極の勝利は、守るべき思想のために血を流している兵士たちの高い士気によって決まる」。更に、「ロシアの軍事的、政治的状況の最大の問題は、どんなに認めたくないとしても、我々が完全な孤立し、全世界を敵に回している点だ」と論じ、ウクライナの士気の高さ、ロシアの孤立を喝破しました。

 

プーチン大統領による戦争を否定する発言であり、国営放送では今まで考えられない出来事が今起きております。物知りな相場は既にここまで織り込んでいるということでしょう。

 

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ロシア進出企業の減損に注意。

  

ロシア事業の不透明さから早々の操業停止が続いておりますが、米マクドナルドもウクライナ侵攻への対応から一時的に店舗を閉鎖しておりましたが、昨日30年以上続けているロシアでの店舗展開に終止符を打つことで完全撤退が決定しました。

 

1990年モスクワのプーシキン広場に1号店を展開し、初日には3万人が並んで以来、ロシア国内に850店舗を展開するに至っておりましたが、全店舗資産を現地企業に売却する予定で、償却費は14億ドル(1800億円)に上ります。

 

既に操業を停止している企業は多数ありますが、覇権国家相手ですから完全撤退となれば現地資産はほとんど没収状態となり、マクドナルドのように大きな減損処理を強いられます。

 

ロシアに進出している日本の企業でも、戦争も短期で終わるだろうとの目論見から、一時事業停止の判断が遅れ批判を浴びましたが、進出企業にとっては行くも地獄引くも地獄の境地ではないでしょうか。

 

昨日電通グループが四半期の好決算を出しましたが、ロシア事業の減損損失を計上し、次の四半期も追加計上を想定していると伝わり大幅安となりました。

 

ロシアに進出している日系企業は三百数十社に上りますが、それでも操業を停止している企業は半分ぐらいだそうで、上場企業において今後ますます国際的風当たりが強くなりますので、関連企業は何時減損が出るか注意が必要かと存じます。

 

さて、米国に比べて底堅い東京市場は昨日もしっかり引けておりましたが、テクニカル的にも25日線、一目均衡表雲の水準で一服してもおかしくないのですが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のリバランスも終わり、外国人投資家の買いに加えて国内機関投資家が買い転換して来ているようで、買い方に厚みが増してくることが期待されます。

 

まずは価格帯商い面でハードルとなっている27500円近辺の売り物を消化しに行く展開と思われます。

 

 

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マクロの三大悪材料にも改善の兆し。

 

昨日申し上げました通り、各決算発表を終えた東京市場では概ね良好な数字が並びました。再三東京市場の底堅さは申し上げている通りでありますが、この決算内容でミクロの霧が晴れれば、残るはマクロの三大悪材料、米国のインフレ、中国の景気、更にウクライナ情勢であります。

 

しかしながら、その三大悪材料にも改善の手掛かりが出てきております。一番の懸念材料である米国のインフレですが、最悪のシナリオは金利が上がり景気後退に陥るスタグフレーションです。しかし4月の消費者物価指数、卸売物価指数ともに伸び率鈍化、更に今週発表の米GDP7割を占める小売売上高は強い数字が予想されますが、その通りになると景気の堅調下でのインフレのピークアウトが想定されます。

 

無論FRBは難しい金融政策を強いられますが、何度も経験してきておりますので期待値は高いかと思われます。更に中国経済ですが、野村の集計する中国主要都市の道路交通量指数は、上海市など長江デルタ地域の交通量が5月に入り小幅に増えて人、モノが動いて来ております。更にゼロコロナ政策による上海のロックダウンも6月に解除の予定であります。

 

最後にウクライナ情勢では、筆者も新聞、テレビなど公のメディアからの情報しかございませんが、一連のロシア軍の士気の低下、兵力の喪失などこちらは人、金(戦費)の喪失が伝えられている通りであれば、プーチン大統領もそろそろソロバンを弾く時間帯に入ってくるのではないでしょうか。

 

先週末、ソフトバンクグループが日本企業史上二番目の大赤字の決算発表から大幅高を演じましたが、これも今までの好決算でも売られる状態から、東京市場がマクロの悪材料を織り込みつつ潮目が変わって来ている象徴的な出来事ではないでしょうか。

 

本日も最後の決算発表が200社ほど控えておりますが、すべてが終わりマクロの三大悪材料の改善の兆しを織り込み始めた東京市場が、世界の株式市場の先陣を走る日も夢ではないと存じます。

 

 

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益々東京市場の優位性が見えてきた。

  

当欄ではかねてから東京市場の底堅さを指摘しておりました。世界的に金利上昇局面を迎え、米国、英国は利上げに踏み切り、カナダ、オーストラリアなども追随、EU各国も既に利上げに向けて動き始めております。

 

その中で日本と中国のみ金融緩和策を続けておりますが、中国は明らかに共同富裕の政策、新型コロナによるロックダウンなどから景気が悪い状態ですが、一通り決算発表が終わった日本企業は四年ぶり36%増の最高益を更新しております。

 

日本では金利は上がらない、米国では金利が上がる、至極当然でありますが金利上昇下でのリスク資産はバリュエーションから金利の上がらないところへ資金逃避することを株価収益率、株価純資産倍率の面からも、先週まで数回に渡りお話しさせていただきました。

 

既に外国人投資家の現物での買い越しが15000億円を超えて流入しておりますが、決算発表終了と同時に日本企業の好調ぶりが確認されましたので、これから徐々に選別物色されて来ると思われます。

 

更に、好調な決算を発表した企業だけでなく、「ソフトバンクグループ」のように、日本企業としては過去二番目の大きさの赤字額を発表した途端に株価底入れ12%という大幅高を演じた企業も出てきております。

 

これこそ潮目の転換であると思われます。今期悪くてもそれであく抜けし、来期以降の業績に大いに期待値があるとの認識です。全体的にバリュエーションの割安な日本株に対する発想の転換であり象徴的な出来事です。

 

再三申しておりますが、昨年は東京市場が最もパフォーマンスが悪かったのは明らかですが、今年は「逆もまた真なり」、今後東京市場の優位性が益々発揮されるものと思われます。

 

 

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夜明け前が最も暗い。

  

現在、米国株に積極的に投資されている投資家の方が多数いらっしゃいます。好調な米国市場に比べて東京市場の体たらくは昨年来よく話題になりました。昨年は先進国の中で唯一上昇しなかった市場が東京市場でしたが、米国、欧州しかり、インドや東南アジア諸国など新興国と比較しても、東京市場ほど上がってない市場はありませんでした。

 

世界第三位の時価総額を誇る東京市場はそれなりに外国人投資家からは運用する資金の置き場としては期待値が高かっただけに、アベノミクス失速、菅政権の迷走などが外国人投資家の失望を買い資金逃避の対象となってしまいました。

 

話しは冒頭に戻りますが、昨年来盛んに米国株投資に勤しんでおられた、弊社とはよくお話しさせていただく投資家の方がどのような経緯をたどったか、公表の許可をいただきましたので報告致します。

 

昨年6月に米国株参入、証券会社の指導の下個別銘柄に投資すること三ヵ月、参入時300万円の資金は400万円に、日本株でも利益は上げておりましたが、米国株投資の値幅が魅力と更に傾注し、その後も順調に成果を上げ、続く三か月後の年末には500万円までもう少しの水準まで到達したようです。

 

半年でここまで伸ばすとは素晴らしいパフォーマンスであります。今年に入り更に新規資金100万円を追加投入し勢いを付けてフルポジション、2月のウクライナ侵攻時に若干ポジションを落とすも、その後の戻りで再びフルポジション。

 

細かい銘柄までは存じ上げませんが、昨年儲けたNASDAQ中心だったらしく一昨日までで評価は大幅ダウン、米三指数新安値更新を受けてすべて撤収したそうです。米国株らしく日本株以上の大きな上げ下げの後、残金は250万円で追加の100万円を入れて投資金額は四割減となってしまったそうです。

 

金利上昇時はバリュエーションの割安なところに資金は流れます。残りの資金は再び日本株に投資すると言っておられましたが、題目の通り「夜明け前が一番暗い」と思われます。底堅さを示す東京市場での買い場探しをお勧めしてまいります。

 

 

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バリュエーションから変わる運用資金の流れ。

  

 昨日は現状の金利上昇局面で世界の運用資金はどこに集まり易いかについてバリュエーションの面で触れましたが、PER(株価収益率)の面だけでは片手間で、PBR(株価純資産倍率)についても付け加えておきます。

 

 金利上昇時は借金に対する利払いは膨らみますので、当然総合的な財務体質が強固な企業が注目されます。PERで日本が割安であることは申し上げましたが、経営母体の資産状況で見るPBRでも割安度は日本が特出しております。

 

 現状の米国のPBR4倍、過去15年平均の2.8倍から更に上振れしておりますが、かたや日本は同じく過去15年平均の1.2倍を下回る1.12倍であります。この数値は米国だけではなく、EU1.9倍に比較しても割安であります。

 

 この金利上昇下、外国人投資家が資金の行く先を模索していることが窺えますが、その後の投資主体別売買動向も一昨日報告した金額から更に4月最終週を加えると、外国人投資家が15217億円の買い越しで、次いで個人投資家の5010億円と続きます。因みに、それまで1兆円強売っていた信託銀行はGPIFの売りが一巡したらしく600億円ほどの買い越しに転じております。

 

 米財務省の報告から日本国内の資金も国内逃避どころか国内還流が見られることもお話いたしましたが、直近のこの売買動向も踏まえて日柄整理の先を俯瞰すると、ある程度展望は開けてくるのではないでしょうか。

 

 昨日の東京市場も一昨日のソニーに続き、トヨタ自動車が好決算を発表しましたが、売り方は待ってましたとばかりにまとまった売り玉を浴びせ、目先の細かい利幅を稼ぎます。

 

 太い資金は未だ積極的に上値を買って来ておりませんので、好決算で買われても続騰が難しくすぐ行って来いとなりますし、トヨタ自動車のよう売られてもその後続落とはなりにくい、極めて目先張りの資金のみの食い合いです。

 

 決算の悪いものはそれなりですが、好決算銘柄のレンジ離れはもう少々先かと思われます。底流での資金移動はどこかで大きな値動きとなって顕在化して来るもと存じます。

 

 

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金利上昇時は割高な地から割安な地へ?

  

 昨日は米国市場の五週連続安を受け、NASDAQSP500に続きダウ平均も年初来安値更新、五週連続安は新型コロナウィルスによる急落以来22カ月ぶりで、直近底堅い東京市場もさすがに550円安ぐらいまで売り込まれました。

 

 昨日は朝から問い合わせが多く、いの一番に「こりゃあ駄目だね。ウクライナもどうなるかわからないし、中国だって滅茶苦茶悪い、米国のインフレも止まらないよ。撤退かなー?」のお電話をいただきました。

 

 「当欄を何日か遡り読み返してください。こんなところを売ったらどん底で投げることになりますよ」と申し上げましたが、迷われている方も概ねこの見方でよろしいかと存じます。

 

 確かにマクロ要因は悪材料ばかりですが、日々熟すうちに徐々に織り込んでまいります。昨日も申し上げましたが、米国のインフレに対しては出て来る数値が斑模様ですから、現状は消化不良を起こしている状況でありますが、時間とともに体調も戻ります。テクニカルの日柄整理とはそういうことです。

 

 ただ、現状は米国金利が上がる方向は変わりませんので、当然割高に買われているところからは資金は逃げますし、逃げた資金は割安に買われているところに向かいます。どこかと言えば割高が米国で割安が日本であります。

 

 現状の米国の下げに対して日本が健闘しているのはそういう背景があります。米国はここまで下落してもPER18.2倍、日本は12.1倍です。しかも今後継続しての利上げが避けられないとなれば、更にその傾向に続くものと思われます。

 

 もう一つ、昨日も少々触れましたが岸田総理の豹変。就任当初いきなり株式譲渡課税強化を謳い評判を落としましたが、一転、今回外遊先のロンドンで日本の個人金融資産の54%にあたる1000兆円を、貯蓄から投資に促す。だから日本に投資を、インベスト・イン・岸田を提唱しました。

 

 アベノミクスの終盤の苦い経験はありますが、国内ではなく外国の金融の中心地での提唱には意味があり、海外のファンドマネジャーからは高評価であります。G7の中でも少しずつ存在感を示し始めている岸田総理、少々期待値は上がりました。

 

 

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相場乱高下も投資家の総意、もう少々の辛抱か。

  

 昨日の東京市場は、先週の米国市場の波乱に対して相当抵抗力を発揮した分、相殺されたような相場展開でありました。先週の米雇用統計も、雇用者数は予想を上回る数値となりましたが、労働者の賃金上昇率は鈍化いたしました。

 

 斑模様の数値が揃ったことで米国市場は、ザラ場中何度も上げ下げを繰り返し最後は結局続落で引けましたが、それほど大騒ぎするような内容ではないと思われます。11日に注目の消費者物価指数(CPI)が発表になりますが、これとてコア指数との関連で再び乱高下する可能性もあります。

 

 恐らく今回のCPI発表でインフレのピークアウト感の兆しが見えて来るのではないかと思われますが、兎角マクロ要因がすべて悪材料視されておりますので、神経質にバタバタ動く投資家が存在するのでしょう。発表されている足元の企業業績を見れば時間とともに収斂されて来ると見てよろしいかと存じます。

 

 米国のファクトセット社が集計するアナリスト予想の平均値で、S&P500指数では昨年末に2022年第一四半期について、6%の増益予想とされておりましたが、決算発表時では9%増益の着地、2022年間業績も昨年末7.4%増益予想が、既に10%増益に上方修正されております。

 

 また、同機関は日本のTOPIX2022年の年間見通しについても、昨年末8.6%増益の予想を先週末12.9%に上方修正しております。

 

 少々見方を変えてテクニカル分析でも、有名なコンドラチェフ波動、エリオット波動、あるいは日本古来の一目均衡表でも、すべての相場サイクル論には値幅と日柄が絡んでまいります。また調整相場となれば長短問わず必ず下げの理由に尾鰭はひれが付いてまいります。

 

 株価は投資家の総意でありますから、こういうこともありますが、決算も絡みこの時期各投資家は未だ地に足が付いていないのでしょう(勿論虎視眈々と押し目買いをしている強者投資家は存在します)。

 

 例年同じような傾向ですが、決算発表一巡すると方向性も出て来るものと思われますので、もう少し乱高下にお付き合いください。

 

 

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東京市場は世界の運用資金の受け皿に?

 

 ゴールデンウィークも終了し、本日から名実ともに5月相場であります。連休の谷間にあたる2日も6日も米国市場の波乱のわりには東京市場の底堅さを感じた投資家も多かったと思われます。特に米国市場が1300ドル下落を受けた6日の市場ではザラ場安値を模索するも、結局200円ほどの上昇という抵抗力。

 

 しかも米国市場が、ロシアによるウクライナ侵攻以来の安値からの戻りを帳消しにする下げに見舞われている中で、東京市場の下落幅は戻りの半値押しの水準を堅持しております。

 

それもその筈、投資主体別売買動向は、3月最終週より東証から発表されている四週間、外国人投資家が13703億円、個人投資家が4448億円と買い越しで、外国人投資家に至っては7年ぶりの買い越し額です。

 

こんなに買っているのに何で上がらないの?と疑問も出ますが、この時期新年度で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の利益を先行させる売りが多く、ポートフォリオの組み換えで後々買って来るのですが、今年はプライム、スタンダード、グロース、と市場変更があったため例年よりも多かったようです。

 

個人は逆張り志向を貫く投資家が多いのでこの押し目買いは理解できますが、普段はトレンドフォローに動く外国人投資家のこの動向は、世界的運用資金の流れに変化の芽が出ているようにも思われます。

 

最近の円安に対応するために、日本人もドル資産を持てという風潮がありますが、米財務省のデータでは、日本による国債や株式などの対米証券投資は年初から2月まで11000億円の売り越しであり、資金逃避どころか資金還流が起きているようです。

 

昭和の時代からの投資歴をお持ちの方はご存じかと思いますが、一世を風靡した在日40年のストラテジスト、ピーター・タスカ氏は「日本は復活の糸口を掴みつつある」と異例の声明を出しました。

 

更に、先般の岸田総理のロンドンでの講演で「インベスト・イン・キシダ」は筆者も驚きましたが、未だハードルは高いにせよ、デフレ脱却に向けて意外とこれはいいかも…。

 

 

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 ゴールデンウィークも終盤、26日をもともと休みにしている企業も多く10連休を満喫されている方も多いと思われます。各地の行楽地は三年ぶりの人出を観測しており、一部渡航制限が緩和されたハワイなどの観光地も盛況で、羽田、成田の両空港は久々の大盛り上がりであったようです。

 

 弊社のように株式市場を生業としている者にとっては、場が立っている以上は気がかりでとても休みなど取れません。12度、残るスタッフに任せて休暇を取り旅行にトライしてみたものの、結局旅先で株価が気になり顧客対応しておる様は、仕事も休みもともに中途半端な有様でお客様にも失礼に値すると痛感し、それ以来カレンダー通りの休み日程を崩しておりません。

 

 どうでも良いことを並べましたが、願わくばこのゴールデンウィークの人出により、緩やかにも治まりつつある新型コロナウィルスの感染状況が再び隆盛を極めることの無いよう切に願う次第であります。

 

 さて2日の東京市場は当欄で申し上げました通り、米国安に対して押し目買い優勢で一日通してしっかりの展開でありましたが、その後の米国市場は34日のFOMCで予想通りの0.5%の利上げが決まり、懸念された0.75%の利上げは「検討していない」とのパウエル議長の発言を受けての「噂で売って、事実で買い」の相場格言通りの展開となりました。

 

 しかしながら、翌日には新規失業保険申請件数が予想を上回ったことで、今度は一転して景気悪化の懸念から大幅安であり、相変わらず目まぐるしい乱高下を伴う展開であります。

 

 本日の東京市場も52日同様押し目買いがどの水準で出て来るか興味深いところであります。筆者同様、直近の米国市場に比べて東京市場の強さを指摘する少数派のアナリストもおりますが、その辺を考えながら模索することをお勧めいたします。

 

いずれにしても、今回は11日の4月の消費者物価指数(CPI)でインフレのピークアウト感が読み取れるかが最大の注目点であり、仮にコア指数に改善傾向がより鮮明になれば、一つのマクロ懸念の後退であります。

 

 

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連休谷間の東京市場は押し目買いで抵抗か。

  

 三連休前の先週末の米国市場は再び1000ドル安であります。悪役の筆頭はアマゾン・ドットコムであり、市場予想を下回り最終損益が七年ぶりに赤字となったことが嫌気され、これを受け長期金利が再び2.9%台に跳ね上がり、下げが他のハイテク株にも及んだようであります。

 

 米企業の決算発表はここまで八割方の企業が予想以上の数字を上げておりますが、注目のGAFAMがすべて出そろうまでは未だ予断を許さない状況であり、それまでは引き続きマクロ要因に注意と思われます。

 

 先週末はこの決算の他、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不調の境目の50を二ヶ月連続で下回り、非製造業PMI50割れとともに景況感は一段と悪化したことと、更にウクライナ戦争でも、ゼレンスキー大統領がロシア軍の残虐な行為で国民感情は急速に悪化しているとして、停戦協議が終わる恐れが高いとの認識を示したこともマクロの悪材料であります。

 

 やはり市場はこの三つのマクロの悪材料に一喜一憂している様相は変りませんがこのような状況でFRBの利上げは速やかに進むのでしょうか。

 

 パウエル議長は先月「現在の状況下でソフトランディングを実現することが容易であるとは思っていない」と述べ、中央銀行の困難な立場を表明しましたが、傍ら、「影のFRB議長」と呼ばれるブレイナード理事はウォールストリートジャーナルのインタビューで、「高騰するインフレを抑制することがFRBの最重要の任務」とし、景気悪化を招かずに物価上昇圧力を緩和させることに自信を示しました。

 

 ブレイナード理事は「企業が求人数を減らす余地が十分ある。企業が大規模なレイオフに踏み切らずに求人を減らすことで、労働需要が低下する余地が大きい」とし、物の価格の上昇からサービス価格の上昇に進むインフレ圧力にピークアウトの余地があることを示しました。

 

 FRB関係者のジャブは続きましたが、注目の34日のFOMC11日の消費者物価指数ももうすぐです。先週末の1000ドル安を受けての今日の東京市場も、最近の傾向からすると、押し目買い意欲も強く然程下がらないと思われます。

 

 

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