ロシア事業の不透明さから早々の操業停止が続いておりますが、米マクドナルドもウクライナ侵攻への対応から一時的に店舗を閉鎖しておりましたが、昨日30年以上続けているロシアでの店舗展開に終止符を打つことで完全撤退が決定しました。
1990年モスクワのプーシキン広場に1号店を展開し、初日には3万人が並んで以来、ロシア国内に850店舗を展開するに至っておりましたが、全店舗資産を現地企業に売却する予定で、償却費は14億ドル(1800億円)に上ります。
既に操業を停止している企業は多数ありますが、覇権国家相手ですから完全撤退となれば現地資産はほとんど没収状態となり、マクドナルドのように大きな減損処理を強いられます。
ロシアに進出している日本の企業でも、戦争も短期で終わるだろうとの目論見から、一時事業停止の判断が遅れ批判を浴びましたが、進出企業にとっては行くも地獄引くも地獄の境地ではないでしょうか。
昨日電通グループが四半期の好決算を出しましたが、ロシア事業の減損損失を計上し、次の四半期も追加計上を想定していると伝わり大幅安となりました。
ロシアに進出している日系企業は三百数十社に上りますが、それでも操業を停止している企業は半分ぐらいだそうで、上場企業において今後ますます国際的風当たりが強くなりますので、関連企業は何時減損が出るか注意が必要かと存じます。
さて、米国に比べて底堅い東京市場は昨日もしっかり引けておりましたが、テクニカル的にも25日線、一目均衡表雲の水準で一服してもおかしくないのですが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のリバランスも終わり、外国人投資家の買いに加えて国内機関投資家が買い転換して来ているようで、買い方に厚みが増してくることが期待されます。
まずは価格帯商い面でハードルとなっている2万7500円近辺の売り物を消化しに行く展開と思われます。
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