三連休前の先週末の米国市場は再び1000ドル安であります。悪役の筆頭はアマゾン・ドットコムであり、市場予想を下回り最終損益が七年ぶりに赤字となったことが嫌気され、これを受け長期金利が再び2.9%台に跳ね上がり、下げが他のハイテク株にも及んだようであります。
米企業の決算発表はここまで八割方の企業が予想以上の数字を上げておりますが、注目のGAFAMがすべて出そろうまでは未だ予断を許さない状況であり、それまでは引き続きマクロ要因に注意と思われます。
先週末はこの決算の他、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不調の境目の50を二ヶ月連続で下回り、非製造業PMIの50割れとともに景況感は一段と悪化したことと、更にウクライナ戦争でも、ゼレンスキー大統領がロシア軍の残虐な行為で国民感情は急速に悪化しているとして、停戦協議が終わる恐れが高いとの認識を示したこともマクロの悪材料であります。
やはり市場はこの三つのマクロの悪材料に一喜一憂している様相は変りませんがこのような状況でFRBの利上げは速やかに進むのでしょうか。
パウエル議長は先月「現在の状況下でソフトランディングを実現することが容易であるとは思っていない」と述べ、中央銀行の困難な立場を表明しましたが、傍ら、「影のFRB議長」と呼ばれるブレイナード理事はウォールストリートジャーナルのインタビューで、「高騰するインフレを抑制することがFRBの最重要の任務」とし、景気悪化を招かずに物価上昇圧力を緩和させることに自信を示しました。
ブレイナード理事は「企業が求人数を減らす余地が十分ある。企業が大規模なレイオフに踏み切らずに求人を減らすことで、労働需要が低下する余地が大きい」とし、物の価格の上昇からサービス価格の上昇に進むインフレ圧力にピークアウトの余地があることを示しました。
FRB関係者のジャブは続きましたが、注目の3、4日のFOMC、11日の消費者物価指数ももうすぐです。先週末の1000ドル安を受けての今日の東京市場も、最近の傾向からすると、押し目買い意欲も強く然程下がらないと思われます。
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