先週まで8週連続安を演じた米国市場は、今週陽線を引いて記録更新を免れるか注目でありますが、それにしても90年ぶりとは驚きですが、90年前は大恐慌の時代です。今週初めに報告しましたが、当時の大不況とは全く違う環境である現状で、何故記録的な下げとなっているのかという素朴な疑問には、あまり解説が聞かれないのですが、恐らく要因としてはプログラム売買だと思われます。
米国でも最近のファンドマネジャーはあまり仕事をしないのか、足を使って企業を実際に取材して銘柄を選定するのではなく、売買プログラムを作成し、AIが最終判断を下すアルゴリズム取引に傾注しております。
AIはその時々のキーワードを集め、そこから判断し売り買いの指示を出します。指示を出すといっても人間にではなく、自動的に市場に注文を出しますので、仮に売り注文であれば、その売り注文で値が下がれば、更に別のAIが株価下落をネガティブに判断し、更に売りの指示を出します。
じゃあいつまでも止まらないかと言えば、今度はどこかで例えばインフレピークアウト、だとか雇用環境の改善だとか、今度はポジティブなキーワードをAIが判断し、逆の注文を出します。
トレンドフォローになりがちですから、どうしても動きが大きくなります。そこを逆手にとって今回も割安株に積極姿勢を貫くウォーレン・バフェット氏は素晴らしいと思いますし、個人投資家には是非とも見習ってほしいと存じます。
一昨日弱気の代表格でブリッジウォーター・アソシエーツを率いる著名投資家レイ・ダリオ氏を紹介しましたが、同組織の最高投資責任者のボブ・プリンス氏も「米経済は景気後退とインフレが同時に進むスタグフレーションが目前に迫っており、非常に簡単かつすぐに突入する可能性がある」と強烈です。
更に、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカも弱気のコメントを出し、「株価は、リセッション(景気後退)入りが明白になるまで底入れしない可能性」と語り、どうもバフェット氏は全くの少数派のようです。
まあ、株式投資は何時の世も少数派が勝ちますが…。
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