野田財務相が「介入も頭にある」と、怖い顔をしても円高。白川日銀総裁が「追加措置を取る構え」と、強調しても円高。円ドル相場が1ドル=79円台を付けた1995年以来の円高水準となっております。
これをどのように考えれば良いのでしょうか。
大まかに見て2つの見方があります。1つはあまりにも急激な円高で、立ち直りかけている輸出を抑え、景気を失速させかねないので、政府・日銀は早く対応策を講ずるべきだ、というものでこれが大勢です。
もう1つは、日本の輸出の国際競争力を見るのに適していると云われる「実質実効為替レート」で見ると、水準は95年当時を大幅に下回っており大騒ぎをすべきではないという考え方です。勿論、証券界は、最初の見方が大勢を占めておりますが...。
それでは、今後をどうみるか。15年前の円高は、円・ドルベースで見ても実質実効為替レートで見ても大幅な円高でした。これは経常収支黒字の縮小につながり、円相場はその後、急速に円安に修正されていきました。
今後を見るポイントは貯蓄・投資のバランスです。今年度、財政赤字は急速に膨らむ一方、企業部門の貯蓄は増加し、日本経済全体としては貯蓄超過というのが現状です。
こうみると現在の円レートは微妙なバランスの上にあり、中期で見れば、今は円高の最終段階にあるように思えますが...。
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