サプライズなニュースが入ってまいりました。米国ファイザー製薬と独ビオンテックの新型コロナウィルスワクチンの第三臨床試験の中間解析結果が、90%を超える予防効果があるとの期待を遥かに上回る報告があり、先進国のワクチン開発に期待がかかります。
かたや米国と同じく猛スピードでワクチン開発を推進する中国、代表的なのはシノバック・バイオテックのウィルスベクターワークス。とにかく第一、第二、第三臨床試験の展開が速すぎるとの見方もありますが、こちらも既に第三国を交えての第三臨床入りであります。
中国は一帯一路の沿線国や南シナ海の権益を主張する東南アジアの国々にワクチンを供給する優先順位を与えるという国家戦略に乗せる意図を探っていましたが、WHOの立ち上げたコロナワクチンを公平に供給する国際的枠組みである「COVAX」に参加することで公平性は保たれたようであります。
更に、スピードを争うロシアでは、コロナワクチン「スプートニクスV」を既に承認し、特別に第三臨床試験を飛ばして、4万人を対象に最終段階の臨床試験を行っております。ロシア国内でも専門家から安全性と有効性から「急ぐ必要がない」と懸念の声が出る始末であります。
また、同じく昨日の報道で、ブラジル政府は中国シノバック社がサンパウロ、リオデジャネイロで行っているコロナワクチンの最終段階の臨床試験を中断したと発表しました。試験の参加者に原因不明の症状が報告されたかららしいのですが、これを受けブラジル、ボルソナル大統領は「国民は誰の実験動物にもならない」と述べ、中国製のワクチンに否定的見解を示しました。
これだけ見ても普通10年かかるワクチン開発を数か月、1年程で開発しようとしている訳ですから、まだまだ紆余曲折ありそうです。
株式市場はこれで人が動くとばかり、鉄道、航空、旅行関係が一切に反発いましたが、やっと最初の第一歩ではないでしょうか。冷静に対処してまいりたいと存じます。
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