今年、東証は「市場区分見直しに関するフォローアップ会議」でPBR1倍割れの銘柄に対し改善に向けた取り組みを要請する方針を明らかにし、本来の企業価値を棄損している上場企業には圧力を強め、世界的に投資マネーが集まる市場にするための決意表明をしました。
日本の有名大学は入るのは厳しい受験戦争を勝ち抜かなければなりませんが、卒業は割と楽なのと同じで、これまでは東京市場は上場審査こそ厳しいものの、上場してしまえば東証もあまり細かい注文は出さない存在でした。
傍ら欧米大学は入るのも無論厳しいですが卒業は更に厳しく、学生生活も常に勉学に励まなくてはならず、同じく欧米の株式市場も上場がゴールではなく、常に資本コストを基準とした経営が求められてまいりました。
この決定的な違いが、東京市場だけが常に高値を更新する世界の株式市場に遅れを取る大きな要因であった訳であり、今回ここにメスが入れられたことが東京市場大改革の始まりであります。
現在PBR1倍割れ企業は東証上場の6割に上ります。従ってこの指標だけで投資対象を絞り込むのは実際不可能です。そこの加わるのがROE(株主資本利益率)の尺度です。
投資家が企業に求めるリターンの目処として、米国では平均で15、16%が恒常化しておりますが、まずは最低限でROE8%が喧伝されております。PBRが1倍割れでROEが非常に低い企業はどうしてもハードルが高くなります。
従ってPBR1倍割れでROEは8%を超えている企業が注目です。収益力強化とともに配当増、自社株買いなどの純資産圧縮が有効手段なので、手元資金が潤沢な企業に妙味があります。是非この基準で銘柄選定してみてはいかがでしょうか。
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