米国市場は先週から景気の先行きを懸念する指標が相次いで発表されております。製造業受注は連続マイナス、ISM非製造業景況感指数も前月から低下し、市場予想を大きく下回っており、極めつけはADPの民間雇用者数であり、ことらも市場予想を下回り賃金の上昇率も鈍化して来ております。
これまでの急激な利上げがいよいよ労働市場にも波及して来ており、既に長期金利は2月のピーク時から1%弱下落し、米国の3銀行が破綻し急落した水準をも下回っております。
それでも未だ3.2%台ですから目標の2%には遠い状態であり、昨日もクリーブランド連銀のメスター総裁は政策金利を「今の水準からもう少し高い所へ引き上げ、インフレが2%に向かう低下軌道を確認したい」と、景気後退懸念の中でもタカ派的発言をしております。
本日のビッグイベント、雇用統計は恐らく予想を下回ると思われますが、既にADP雇用を見ていることから然程サプライズにはならないと思われます。
しかしながらFRBの金融政策はアクセルとブレーキ、インフレと景気後退のはざまで益々難しい舵取りを迫られますし、要人たちの発言も慎重な情報発信が続きそうです。
東京市場は本日下げれば丁度3日目です。昨日は景気敏感株が売られており、特に値嵩株が中心となりましたが、材料株の一角には既に押し目買いが入っておりました。
3月の金融危機のときもそうですが、個人投資家の逆張り派だと思われます。3月同様この水準での買いは功を奏すると存じます。
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