米国FOMCではかねてから利下げを主張していたボウマン副議長とウォラー理事が金利据え置きに反対票を投じました。FOMCの決定は事前に意見のすり合わせをしてから臨みますので、決定内容に2人が反対するのは非常に珍しく1993年12月以来32年ぶりの出来事です。
ウォラー理事は17日の講演で、「経済は依然として成長しているが、その勢いは大幅に鈍化しFOMCの雇用政策に対するリスクは高まっている」と述べておりました。
昨日も申し上げましたが、コロナ禍以降のインフレの進行に対し、パウエル議長が一時的だから問題ないとしていたところに警笛を鳴らしたのもウォラー理事でありますが、そのパウエル議長は9月の利下げにも慎重な姿勢を示しておりました。
GDPも前回のマイナス成長から3.0%と堅調さを示しておりますので、経済全体は底堅いとも取れますが、トランプ大統領からの圧力は益々高まりそうです。反対票を投じた理事の指摘するインフレの一過性、雇用の減速を計っていく場面が続きます。
予想以上の内容が続く米決算発表はマグニフィセント7に移ってまいりましたが、AI投資に莫大な資金を投入するマイクロソフト、メタ・プラットフォームの決算は素晴らしい内容でした。これが東京市場にも波及し、半導体株、電線株を中心に日経平均を牽引しました。
AIバブルと言われて久しい状況ですが、マグニフィセント7の一角は設備投資もさることながら、スタートアップ企業の囲い込みにも積極的です。莫大な資金をバックに少しでも有為な人材、企業は逃さないしたたかさには驚愕します。今更エヌビディア、メタ・プラットフォームなど買えませんが、想像を超える稼ぐ力を有する米企業の成長はまだまだ続きそうです。
東京市場も決算内容に資金が向っております。減益ならまだしも、増益でも市場の事前予想に届かないとまずはイベントトレーダー、アルゴリズムが動き売られますが、一緒に売っていいものの方が少ないので、迷えば是非ご相談ください。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。