確かにマクロ環境は不透明な要因が山積しております。ここまで好調を維持していた米国経済に黄色信号が点滅し始めているのか、先週までの経済、雇用の関する指標は懸念を持つところでありますが株式市場は至って堅調です。
マクロに比べてミクロの企業決算が好調であることは当欄でもお示ししておりますが、先週末にはトランプ大統領とプーチン大統領の首脳会談が15日アラスカで行われることを好感し、米国主要三指数は揃って上昇しました。
米国高を受けた東京市場も至って堅調ですが、当欄ではここに至るまでの需給について何度か触れましたが、一つには新NISAを通して資産形成としての買いっぱなしの資金が新たに数兆円ずつ投入されていること、更に継続する自社株買いと外国人投資家の買いです。
売り方としては長年のしこり玉の戻り売りと、現状のバリュエーションを割高と見る空売り、傍ら株価が上昇しているにも関わらず信用買い残が一向に増えません。過去の株価の天底を探ると東証の信用倍率はアバウト8倍を超えると危険サイン、4倍を下回ると安全サインと言われ、分かり易く昨年8月の急落前は8.2倍でした。
現在の株価水準は昨年8月を上回っておりますが、信用倍率は4.2倍です。従って、総じてこの株高に懐疑的に見る投資家が多いということを示しており、このところの個人投資家の驚異的売り越しの姿勢はここにも表れております。
日経平均連動型のETFの信用残をチェックすると今の株高が如実に表れております。ロングポジションの日経レバ(1579)、売り残580万、買い残1040万と需給良好です。ショートポジションの日経ダブルインバース(1360)、これは日経レバとは逆に日経平均が下がると儲かるETFです。
これが売り残76万に対し買い残4000万、この買い残はこのETF史上見たことの無い最高の水準です。売っても売っても株が上がる原動力であり、「売って相場の強さを知る」の相場格言通りの展開です。当欄でいずれ株が糸に切れた凧状態、とした意味はここにも存在し、予想外に買い方には楽しみな相場展開が続きます。
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