米国市場では注目の7月の雇用統計が発表されましたが予想を下回り、過去2ヵ月の伸びもコロナ禍以来の大幅下方修正となり、労働市場の激変ぶりが示されました。
この報告に激怒したのがトランプ大統領であり、統計局長の首にすると「パウエルはまたやらかした」と、FRBが利下げを先延ばしにしていることが原因であるとパウエル議長の解任を再び口にしました。
為替は一気に3円幅でドル安円高に進み、主要株価三指数は大幅安となりました。毎月の雇用統計はぶれ易い指標ですが、5、6月の数値が連続で大幅下方修正となったことが、マーケット評価を下げているようです。
今週も激怒したトランプ大統領の発言には注意したいところでありますが、現実問題としてデータ重視のFRB内でも、9月利下げの確率はかなり上昇しております。今回のインフレを一過性としてミスを犯したのはパウエル議長本人です。トランプ大統領の肩を持つわけではありませんが同じミスはご法度です。
先週末の米国市場の波乱を受けて、本日の東京市場も多少荒れると思われますが、出遅れている東京市場を買っているのは外国人投資家です。18週連続の買い越しで既に額では小泉郵政解散、アベノミクスを上回っております。
かたや一貫して売り越しているのは個人投資家です。先週も1週間で1兆2000億円という記録的売り越しとなっております。以前株主分布図のことを当欄でお話しさせていただきましたが、新NISAを通じ2024年1月が1兆2800億円、2025年1月が2兆2200億円驚異的ペースで個人の資金が株式市場に流入しております。
しかも先日お話申し上げました通り、その8割の資金は資産形成の意味で持ち続けております。すると今回の個人投資家の売り越しは株式投資歴の長い中高年層のバブル時に買った銘柄の戻りでやっと売れたというたぐいのものと思われます。
この外国人投資家の現物市場での買い越しは、東京市場の出遅れ修正とガバナンス改革に起因しておりますので早々に撤収するとも考えられず、であればこの戻り待ちの個人の売りもいずれ消化されるころには別の景色か…。
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