雇用統計ショックと言われた一昨日の米国市場の下げですが、昨日は景気後退懸念からFRBの早期利下げ観測が買い材料となったようで、一昨日の下げを即日埋めた格好となりました。
辞任を表明したFRBクグラー理事に代わり、トランプ大統領は数日中に金融緩和に積極的な人物を指名するという見方も利下げ観測を後押ししたようです。5、6月の今までにない雇用者数の減速も株高に繋げる米国市場の強さを鑑みると、巷言われるドル離れも限定的かと思われます。
トランプ大統領は中央銀行の独立性を脅かすような発言が目立ちますが、それに対し意固地に利下げを拒んでいるようであれば、パウエル議長は金融政策で2度目のミスを犯しているのかもしれません。
因みに米国企業の決算が続いておりますが、予想を上回る内容で今のところ関税による悪影響は限定的であります。このままISM景況感、消費者物価指数(CPI)、小売り売上高とマクロ環境が無事通過すれば、9月の利下げを織り込みに来る相場展開が続くものと存じます。
東京市場は米国市場に比べて一昨日の下げを一気に埋められず、日経平均ベースでは半値戻しと言ったところですが、個別銘柄に焦点を当て俯瞰していただくと違う景色が見られます。
昨日も現物市場に外国人投資家の買いが先行していると申し上げましたが、東京市場にありがちな先物主導ではなく、現物沈潜で中小型株の値幅が動いております。オプション取引でも4万円から上のコールの残が増えて、4万円以下のプットはここへ来て投げが出ているようです。
現物市場を相手に中小型株を中心に投資している個人にとっては良い相場展開です。当欄でも常に申し上げている、「鳥の目、虫の目、魚の目」で銘柄選択してください。
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