「見切り千両」「頭と尻尾はくれてやれ」...。株式相場には「売り」にまつわる格言が数多く言い伝えられております。「売り」が難しく、「売り」をうまく使いこなさない限り、海千山千の投資家が参加するマーケットでは生き残れないことの証左でもあります。
下げ相場はびっくりするほど早いものです。「あれよ、あれよ、」と、思っているうちに下げてしまいます。「売りは早かれ、買いは遅かれ」と云われているように、買いのタイミングを逃がしても、儲け損なうだけですが、売りの機会を逃すと損失につながってしまいます。
作家五木寛之氏は「人間の覚悟」の中でこう述べております。
「草木の一本、一石、一草にも虫にも動物にも心があり、魂があり、仏性がある。森にも山にも命があると考えるのが日本人の伝統的心性」
その上で山に登ることばかり考えるのではなく、山を下りる、すなわち下山の哲学を説いています。
株式に例えるなら、株を買う時点で儲けることばかり考えるのではなく、常に最悪のパターンを想定しておき、損でも売らなければならない時には思い切った損切りも必要だと云う事です。
誰でも損切りはしたくありません。「辛抱が身を亡ぼしたる引かれ玉」と云われますが、信念があって我慢をしているのと、損を確定するのを嫌い意地を張っているのでは、同じ我慢でも意味合いが異なってきます。思惑が外れた事に気が付いているのに、それを認められなくて引かれ玉を抱えていると、さらなる深みに陥る事になります。
筆者は「プロ野球に負け試合をつくる監督がいるように、株式でもこの銘柄は勝てないと思ったら、潔く負けを認めて次に備えるべき」だと思います。「野○監督や落O監督が野球ファンに嫌われるのは、負け試合をつくるから。勝てないと判断した試合は主力選手を投入せず、優勝を見据えて次の試合に備えます。勝負師としては正しい判断かもしれません。」長嶋元監督は常に全力で戦っていたからファンに愛されましたが、株の世界では野○監督や落O監督を見習うべきではないでしょうか。
もし、いま貴方様が凝り玉を抱えているなら、是非当社スタッフにご相談下さい。
「売り」か「持続」なのか、適切な診断をさせて頂きます。