昨日の野村ホールディングスの20憶ドル(2200億円)の損失のニュースには少々驚きましたが、これについては朝からの一般の方の問い合わせが多く、リーマンショックの再来ですか?すべて手仕舞いですかとの意見も寄せられました。
現状報告されていることは、株式ブロック取引(同一銘柄を一度に大量に相対取引で売却する取引)で、ヘッジファンドのアルケゴス・キャピタル・マネジメントが保有株を大量に処分したことがきっかけで、かなりのレバレッジを利かせていたことから売却額は200憶ドル(2兆2千億円)に上りました。
しかしながら、関係したゴールドマン、モルガン・スタンレーなどはコメントを控えており、ファンドの清算に至るのか、その数は、規模はなど、詳細については今後出て来るものと思われますが、野村HDの損失が言われている通り2200億円としても、21年3月期の純利益が4200億円ほどに上ることから、屋台骨を揺らすほどではないと思われます。
ただ、このアルケゴスの創業者のビル・ホワン氏という人物はヘッジファンド業界のレジェンドと言われるジュリアン・ロバートソンとも近い関係を持ち、そのワンマンぶりが行き過ぎ、インサイダー情報を違法に利用し、中国の銀行株を空売りした疑いで、SECより4400万ドルの制裁金を課せられた過去を持つ人物でもあります。
少々引っ掻き回された感は否定できませんが、野村HDのほかには現在報告されているのがクレディ・スイス・グループも40憶ドルぐらい、三菱UFJが3億ドルほどの損失です。まだ不明なことも多いので、どの程度横に広がるかわかりませんが、各国の市場を見る限り今後更に動揺は広がるとも思えません。
東京市場に至っては、昨日権利落ち分178円を一度も下回ることなくすんなり埋めた辺りは、物知りな市場が一番正直であることは変わりありません。
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