「新型コロナウィルスで世の中こんなに苦しんでいるのに、なんで株式市場だけ上がっているんだ?経済だってこんなに悪いし、食うに困っている人だって沢山いるのに、財政だ、金融だって言ったって、しょせんこんなのバブルだよ。」
このような意見を最近よく耳にいたします。確かにこのコロナ禍で職を失い、自殺者も増えており、こんな状況下での株高はまさしくバブルだ、との肯定派の意見もわかりますが、では1989年時の3万8957円を付けた時のご時世を思い起こすと、とても今のような状況ではありませんでした。筆者も既にこの業界で10年近く活動しておりましたが、今から思えば万事が常識はずれで、当たり前のように浮かれていたことを今でも覚えております。
買えば上がる、上がれば儲かる、儲かれば使う、旅行でもお酒でも…。みんなが有頂天でしたね。ですから、とても今の状況をバブルだとは思えません。
今週号のダイヤモンド誌で三名の識者がバブル論をぶつけておりましたが、楽天証券の山崎元氏、マネックス証券の松本大氏、慶応大学大学院の小畑績氏。
三者とも東京大学を最終学歴とする秀才でありますが、明らかにバブルと考えるのが小畑氏です。
彼は以前に「すべての経済はバブルに通じる」という本を執筆しており、筆者も読ませていただきましたが、タイトル通り経済はほっとけばそれなりに走り、大なり小なりいずれ弾ける、現状はその真っ只中である。
松本氏は、バブルの尺度として使われる株価収益率とて、その時のお金の量が桁違いに大きくなり、それ相応の倍率となってもその時代の許容度であると。
世界的にリーマン、コロナに見られるように、危機時は相当なお金を刷ってなるべく痛みを出さないようする、米国では昨年6月のひと月で刷られたお金の額が、建国200年間で刷られた額と同額だったという驚愕のデータもあり、そういうフレームワークになった以上、危機が終わるまでは上がりそうです。
これだけの頭のいい人が3人集まっても結論は纏まらず、この議論は正解が見出せません。ただ、参考になる意見としては、二極化と言われる今の上昇相場で、出遅れを片っ端から物色し、一通り一巡したら注意ですね。
まだまだ時間はありそうですが。
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