日本電産の永守会長は2030年に自動車の価格は現在の1/5になると発言し、しかも500万円の車が100万円になるのではなく、もっと安い30万円になるとの見解を示しましたが、これは、中国、上気通用五菱汽車のEV「宏光MINIEV」が航続距離は短いが(下位、中位グレードで120?、上位グルードで170?)下位グレードで2万8800元(46万円)という低価格で既に昨年7月以降に売られ、12万台以上販売しているからであります。
そこに日本電産のモーター技術を提案して行こうとしており、そのためのM&Aも積極的に進めるもので、日本でM&A100発100中を誇る永守氏の発言は相当の重みがあります。
機を同じくして、世界自動車販売台数トップのフォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)シフトを一段と加速し、2030年までにEUで電池工場を6カ所設けます。これにより電池システムのコストを1キロワット時あたり100ユーロ(1万3千円)下げる方針で、これでEV車の生産コストはガソリン車を下回るそうです。
またもう一つの課題充電ネットワークでも急速充電網拡充のため、英のBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)、スペインのイベルドローラ、等EUエネルギー大手と提携し、2025年までに急速充電設備の数を現在の5倍の1万八千カ所に増やす方針を示しました。
EVではトップを走るテスラは言うに及ばずですが、米国ゼネラル・モーターズは35年以降ガソリン車、ハイブリット車の販売停止、英国高級車ジャガーは25年、スウェーデン高級車ボルボは30年にそれぞれEV専業になるそうです。
世界的脱炭素の動きに世界の自動車メーカーが舵を切り始めておりますが、世界の新車販売におけるEV比で、特にVWのロードマップは25年に20%、30年に50%、35年にほぼ100%、との数値の下、電池システム、充電網の具体的シナリオが描かれていることが象徴的であります。
トヨタを筆頭に日本勢は若干戦略が違うようです。日本自動車工業会の豊田章男会長は、EVが脱炭素の面から全面的にいいわけではないと、興味深い見解を示しており、これには紙面の関係から別の機会に取り上げたいと存じます。
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