さて、東京市場は相変わらず強調展開を続ける欧米市場を羨み、薄商いの中で全体は上値の重い展開ですが、再三申し上げております通り個別銘柄では結構元気印が値を飛ばしております。
元気印銘柄は横に広がりを見せておりますゆえ、「隣の芝は青く見える」的に、次から次へと乗り換えていこうとすると後手を踏みますので、このような時にこそ相場巧者は辛抱のしどころを心得ており、小幅利食いに留まらず値幅をしっかり狙っております。
個人投資家にとって、重い日経平均ほど悪い相場ではありませんので本日のところはあまりコメントもございません。本日は来年4月に迫る市場再編で誕生するプライム市場について触れてみたいと思います。
そもそも現在の1部市場がそのままプライム市場に移行する訳ではなく、現在以上に厳しい基準が適応されます。1部市場に上場していればTOPIXによる買いが入りますので株価維持にも貢献しておりますが、今後のプライム市場の基準では、現在の1部上場の半分以上の企業が適格外の烙印を押され格下げの余地が出てまいります。
その基準の中で株主数、売買代金、純資産などは分かりやすいのですが、流通株式数、更にその比率、流通株式時価総額が少々難問であります。この流通株式とういう概念が浮動株と似て非なる物なのです。
浮動株とは総発行株式の中で、安定した株主に保有されておらず、市場に流通する可能性高い株式のことを指します。また流通株式とは、大株主及び役員などの所有する自己株式など、その所有が固定的で流通の可能性が認められない株式を除いたものを指します。
少々ややこしい表現ですが、企業にとっては明らかに厳しくなっており、金融機関や事業会社が保有する政策保有分は流通株から除かれます。その比率、時価総額に厳しい基準が設けられますので、持ち合い構造で安泰経営などという旧日本的な経営は淘汰されます。世界に向けて日本企業がよりグローバルスタンダードになる訳で、その地位向上は大いに期待されます。
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