先週、当欄でも4月以降外国人投資家の現物市場での買い越しが記録的なものになっていると申し上げましたが、結局4月が1兆2000億円、5月は第3週までに1兆3750億円に上っております。
世界の名だたるファンドが大株主として浮上しており、しかも現物沈潜ということは先物の値ざや稼ぎではないと思われ、それだけ日本株が国際的に魅力的であるというサインであります。
企業の業績改善やコーポレートガバナンス改革(資本効率改善・自社株買い・増配など)が評価され、欧米企業に比べてPERなどバリュエーションが低く、割安と見られている銘柄が多く存在します。
東証による資本コスト・株価意識の要請(PBR1倍割れ企業への圧力など)が背景にあり、企業改革の進展に期待のかかる中で、アクティビストや海外ファンドも構造改革に投資する傾向が強まっております。
また、地政学的要因からは、中国リスク(経済減速や規制強化など)、中東情勢など世界のリスク分散先として東京市場が相対的に安定していると見なされている可能性も否定できません。
このように大量の外国人投資家の買いは、官民上げての日本の取り組みが国際的に再評価されている証拠であり、企業価値向上への期待、日銀の緩和的政策にあまり変化がないマクロ的背景、地政学的環境が複合的に評価されていることと思われます。
企業が株主と向き合う姿勢として端的な例で、先週末住友電工が今期1.9%の減益であるものの、投資家説明会で事業環境にポジティブな見通しを出したところ株価は5%上昇し、企業が投資家とどう向き合えば良いかの見本であると思われます。
今週も外国人投資家の日本株に対するスタンスは変わらないと思われますので、未だ相対評価で出遅れている銘柄を探してまいります。
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