2022年4月の市場再編と合わせて東京証券取引所はTOPIX(東証株価指数)の改革にも着手してまいります。市場再編で2022年4月にプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編されますが、同月以降TOPIXの見直し作業が開始されます。
一定の基準を満たさない企業をTOPIXから除外する方針で、昨日も話題とした流通時価総額が100億円に届かない企業について、22年10月から25年1月にかけて四半期ごとにTOPIXに占める構成比率を段階的に引き下げ、25年1月にて除外、TOPIXの改革完了を目指します。
現状ではTOPIXに採用されていれば、株価指数連動型のパッシブ運用の買いが自動的に入るため、企業努力なしに株価が上昇しやすいという弊害があり、その解決のための改革です。
ただこのパッシブ運用は1976年米バンガード・グループ創始者のジョン・ボーグルが個人向けに販売、それまで個別株を選別して運用するアクティブ運用を凌駕するスピードで運用資産を増やし、現状では米国でもアクティブ運用とほとんど同額、日本に至っては70%とアクティブ運用額を超えております。
この大きくなったパッシブ運用のデメリットについては次の機会にお話ししますが、日本においては米国以上に膨れ上がっておりますので、市場への影響を考慮し3年の期間を経て改革に臨んでまいります。
企業努力もしない企業にはTOPIXから外れることにより、株価の下押し圧力がかかり、本来の適正な株価水準が露呈することになります。その一方で、プライム市場残留と同じく、このTOPIX改革でも100億円の基準に対して、企業努力次第では残中の道もございます。
コーポレートガバナンス・コードの改訂から一連の再編が始まっている訳ですが、米国S&P500は構成銘柄数に上限を設け定期的に入れ替えております。おそらく東証はアジアの金融ハブを目指すことから、米国並みの健全な競争を促すための定期的入れ替えも、既に視野に入っていると思われます。
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