仲良しのように振る舞うが、陰ではお互いに悪口を言う。利害が対立しているように見えても、裏ではしっかり手を握っている。
国で云えば、フランスとドイツの関係がそう云えそうです。震災後の両国の動きには似ている部分もあり、正反対の面もあります。
福島原発事故の直後に、どちらの国の人も首都圏から一斉に退避しました。後に仏のフォール駐日大使は「申し訳ないことをした」と謝罪したのに対し、独のシュタンツェル大使は「合理的判断だった」と強気な発言をしました。
仏の「原発推進」と独の「脱原発」は有名です。欧州の送電線は、国境を越えてつながっております。独は足りない電力を仏から買っています。国内で脱原発を進めるほど、隣国の原発に頼るようになり、仏にとって独はよいお客さんなのです。要はもちつもたれつの間柄なのです。
いよいよ福島原発事故後、初の主要国首脳会談がフランスのドービィルで開かれます。日本の菅首相は原子力発電について、安全性を高めた上での利用継続方針を打ち出すとともに、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの利用拡大も表明するようです。
大規模な太陽光発電施設の建設や国立公園での風力発電などを進める一方、資源小国である日本の厳しいエネルギー事情は変わらないため、原子力発電については「継続的な使用」を明確に打ち出します。
仏・独などの知略が渦巻く欧州を舞台に、世界を納得させられるか、どんなパフォーマンスを見せられるか、菅直人首相の腕の見せ所と云えそうです。
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