被災地にある日銀の支店がごった返しております。泥で汚れた紙幣とさび付いた硬貨が、連日途切れなく持ち込まれてきます。汚れを落として1枚ずつ鑑定し、綺麗な現金に交換する作業は、わずかな間違いも許されません。
「明日までに支払わなければならない」と、遠方から半日かけて大金をかついで来た人もいました。ヘソクリなのでしょうか、小銭ばかりの貯金箱を差し出す主婦もいます。
これまでに日銀では16億円分を交換したそうです。金額の大小にかかわらず、持ち主にとっては、どれも大切なお金です。
震災は、お金の不思議を考える機会かも知れません。お金が価値を持ち続けるのは、その価値を信じて疑わないからです。人間が自分の夢や人生の設計を叶えるのに必要なものが、紙幣や硬貨の役割かも知れません。ピンセットを片手に現金鑑定を続ける日銀の職員は、通貨の価値を守る縁の下の力持ちです。
荒れ果てた光景が世界中に流れても、円相場が崩れることはありませんでした。この国の経済はしっかり機能していると市場が判断したのでしょう。震災後、外国人の日本株買い越しが27週連続しているのが分かる気がします。
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