消費税論議が盛んですが、前回の消費税増税は景気をどれだけ悪化させたのでしょうか?! その影響については今も見方が分かれています。
税制改革関連法の成立は1994年11月で、5.5兆円の所得税・住民税減税を先行させ、97年4月に消費税率を3%から5%に引き上げました。
個人消費の駆け込み需要と反動減は「2兆円規模と推測されます」(98年度経済白書)。その結果、実質成長率は97年1〜3月期の前期比年率2.9%から、4〜6月期にはマイナス3.7%に沈みました。
93年11月からの景気回復局面は、増税直後の97年5月で終わっております。但し、7〜9月期の実質成長率は一旦1.6%まで持ち直しました。景気が本格的に悪化したのは、7月からのアジア通貨危機、11月からの日本の金融危機を経た後なのです。
そのため、「消費税率の引き上げが日本経済の景気を悪化させた」という意見と「金融システムの不安定化が悪影響を与えた」という反対意見に分かれているのです。その結論を出すのは難しいことです。
今回は先行減税なしの純増税です。他の制度改革を含めれば、年収500万円の世帯で年20〜30万円の負担増になるとの試算です。国民に対する十分な説明と経済全体へのきめ細かな目配りをお願いしたいものです。
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