日本の貿易収支が31年ぶりに赤字に転落したとの報道を受け、為替相場が先々週から大きく揺れ動いております。円相場が一時、対ドルで1円超、対ユーロで2円を超える円安になりました。
これはタイの大洪水によって自動車や電気製品の輸出が大震災と同様に再び滞ったからです。停止した原発の再開ができずに、天然ガスや原油、石炭の輸入拡大が今後も続けば、貿易赤字は長期化するとの見方もあります。しかし逆に、これは円高の流れを止める有力なブレーキの役目を果す可能性もあります。
円高のブレーキになりそうなもう一つの要因に2012年問題があります。これは団塊世代が今年から65歳という公的年金の支給開始年齢に達し、貯蓄を取り崩して暮らしていく人口が急増する問題です。
銀行や郵貯、生命保険会社に預けられている個人貯蓄の大半は国債で運用されており、貯蓄率の減少や貯蓄の取り崩しは国債利回りの上昇に直結しかねません。
これらがボディーブローのように効いてきて、40年以上続いた円高トレンドを終わらせるとの見通しも出てきました。短期的には再び円高局面があっても、年内には円安に大転換する可能性も強いと云えるでしょう。
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