「円だけが上昇する局面はしばらくない」―外国為替市場の一部でこんな見方が浮上してきています。背景にあるのは、各国・地域の中央銀行が政策金利をゼロ%近くまで引き下げたことです。
7月3日にデフレ懸念からスウェーデン中央銀行が政策金利を0.25%まで引き下げました。リーマン危機前に4%台の高金利を誇った同国の通貨クローナは今や低金利通貨の一つに数えられます。
スウェーデンが低金利通貨になったことは円が独歩高になりにくくなったことを象徴的に示しています。「キャリー取引」に使われる通貨が増えていることがその根拠なのです。
キャリー取引とは、低金利の通貨を売って高金利の通貨を買うことで金利差分の収益を狙う取引のことですが、これまでは売られる通貨はほとんど円でした。
しかし、日本と同じように事実上のゼロ金利政策を取る国や地域が相次いだことで、売られる通貨は円だけではなくなりつつあり、多様な通貨が売られるのが今の市場環境なのです。
この流れが一過性のものか、継続的なものになるのか、注意深く見守りながら、このコーナーでも引き続き解説していきますので、これからも毎日ご覧下さいますようお願い致します。
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