円安が進む中で経済界などにコスト上昇を警戒する声が上がっています。かつてなら、$1〓110円台よりも円高の水準でこうした声が出てくることはありませんでした。
貿易赤字の定着といった経済構造の変化を踏まえると、「今の$1〓109円は昔の109円とは違う」といったことなのでしょう。
なぜなのでしょうか?!
1つのヒントは「実質実効為替レート」にあります。
円の幅広い通貨に対する強さを示す名目実効レートを内外の物価格差を踏まえて調整したもので、通常なら日本企業の対外競争力の指標と云われます。裏を返せば、輸入に伴うコスト圧迫度合いの指標と捉えることもできます。
円の実質実効レートは過去のデフレの影響が累積的に効き、名目相場と異なり概ね下落トレンドを描いています。
日銀が算出するレートは今年1月、1982年11月以来の低水準をつけ、その後も低位で推移しています。最近の円安でこの水準をさらに割り込む可能性もあります。
因みに82年11月の円相場の月中平均は$1〓265円ですが、円安に伴う痛みに苦しむ企業にとっては、感覚的に実感に近い水準なのかも知れません。
逆に見れば、円安に強い銘柄には一層有利なのです。
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