去る7月29日のこのコーナーでもお話をさせていただきましたが、中国の人民元が国際的な影響力を拡大しているようです。
元建て決済は過去1年で2倍以上に増え、国際金融取引の1.4%を占め、香港ドルやシンガポールドル、さらにスイスフランも抜いたとされます。
国際貿易決済では、全体の8%が元建て決済で、ユーロ建て、円建てを抜き、2位に躍進したというから驚きます。中国企業は、ドル建てよりも元建てのほうが価格面で有利になるよう交渉するため、米国企業でさえも元建て決済を1年で4倍に増やしたそうです。
人民元の国際化は囲い込みを狙った戦略に見えます。
中国としては、いずれはアジア圏で元による「人民元経済圏」を作り、ドルから覇権を奪おうとしている狙いが透けて見えてきます。
しかし、人民元は国際通貨としての実績がないばかりか、国内には前近代的な問題を多く抱えています。貧富の格差やウイグル問題の他、領土をめぐり隣国と小競り合いを繰り返し、民主主義の基本である情報公開の意識もありません。
上海の食品会社が使用期限切れの鶏肉を加工して海外に輸出していたことは未だ記憶に新しいですが、食中毒や大気汚染、水質汚染といった問題は繰り返し指摘されています。
先日、中国の中央銀行のお偉方が、今後3年間で人民元の国際的な地位が日本円を上回るとの見方を披露しましたが、こんな国の通貨が、日本円を押しのけて国際化の地位を築くとは思えませんが、…
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