「不安の崖をよじ登る」とは米国の相場格言で、目先の細かい不安材料を肥やしに上値を追う相場展開を意味しますが、米国市場はまさにこの相場格言通りに推移しているようであります。
これは米国の著名投資家、ジョン・テンプルトンの「相場は総悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟し、幸福感の中で消えてゆく」の一部にあたりますが、米国も日本も市場センチメントに惑わされると儲け損なうという素晴らしい教えであります。
昨年のコロナ禍以降、賢い投資家程素直に相場に乗れていない実態は、何度となくお話してまいりましたが、今回の市場に溢れている資金も過去に例のない巨額なものであり、その巨額の資金の回収の道(金融緩和の出口)も過去に例のない遠い先の着地点(2023年)とされております。
筆者の後輩で優秀なファンドマネジャーが、多数現役で運用にあたっていることはお話ししましたが、彼らも優秀なだけに独自の尺度で「ロング・ショート」戦略(割安を買って、割高を売る)と取っております。
ロング(買い)はそれなりの利益を出しますが、細かい分析から割高とジャッジしたショート(売り)が思わぬ苦戦を強いられています。ヘッジファンドが然程利益を上げられていない理由がそこにあります。
東京市場で日経ダブルインバースの買い残の多さが物語るように、このショート戦略が多数意見となっている訳で、それでも相場は上昇する、まさしく懐疑の中で育ち始めております。
個人投資家に至っては、腕に自信のある諸氏が目先の押し目をショートで小掬いぐらいならいざ知らず、市場センチメントに流されて売り方に廻るなどという事の無いようお願いいたします。
更なる国策銘柄で攻めてまいります。
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