昨日の東京市場は一転大幅高。一昨日当欄でも申し上げました通り、賢い個人投資家諸氏におかれましたは、適度に提供される不安材料による押し目を上手く利用され、この「不安の崖をよじ登る」相場に効率よく対処されていることと存じ、弊社としても嬉しく思っております。
米国の著名投資家、ジョン・テンプルトン氏の「相場は総悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟し、幸福感の中で消えてゆく」との相場格言を紹介いたしましたが、まさに今の東京市場を物語っております。現状、楽観と共に成熟してもいないですし、幸福感も感じません。皆様が疑いを持ちながら相場は日々を消化しております。従って、まだまだこれから楽観も幸福感も感じる域に入ってまいります。
適度な悪材料が適度に提供されては、相場は織り込んできております。一昨日の下村政調会長による、この非常事態時に自分の選挙しか考えない無責任なワクチン発言も、昨日には当の本人が火消しに奔走するという体たらく、想像力の欠如も甚だしく思いますが、これとて透かさず株式市場は織り込んでおります。
さて、昨日引け後に東証から投資主体別の売買動向が発表されております。
この2、3、4月はロビンフッターによる相場攪乱、米国長期金利の急騰、アルケゴス破綻による巨額の損失、変位ウィルスによる感染再拡大等、日米ともに目先の不安材料が続出したことと、3月という期末要因がありましたので、持ち高調整の信託銀行(GPIF)の売り、投資信託の解約売りは分かりますが、それに次ぐ大きな売り越しが個人であり、如何に個人が弱気に傾いていたかが窺えます。
そして、その個人を含む3主体の売りを消化した買方が外人投資家です。4月から年金の掛け金が新しく加えられたJPIFの資金である信託銀行も買い越してきておりますが、外人投資家に至っては3カ月で1兆円以上買ってきております。テクニカルでも米国の2、3カ月遅れの東京市場の今後が楽しみです。
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