先週の東京市場は、2月の3万円台回復から2カ月続いた三角持ち合いを、チャート的に下っ放れた形となり、弱気論者に言わせると、強気派がやたらと増えた今が天井だ、いよいよバブル崩壊の始まりだ、との喧伝が多く見られました。
果たして強気派がそれほど増えているのでしょうか。空売り比率は相変わらず高水準を維持しておりますし、下落に賭ける日経ダブルインバースの買い残は歴史的水準です。更に株を買う待機資金MRF(マネーリザーブファンド)の残高は14兆円と、日銀の買いの資金6兆円の2年分以上です。
これだけ売り歓迎の資金が溜まっているのに、みんなが強気などとは到底思えません。更に、リーマンショック時の過渡な信用供与によるローン残高などが話題になりますが、心配された一部のファンドの極端なレバレッジによる破綻も連鎖は起きておらず、一般の信用供与は許容の範囲と思われます。
また、現在の金利水準から各企業の財務諸表を読み解き、バリエーションの計算などからも、弊社の見解は昨今の当欄でも日々申し上げている通り、バブルの域には達しておらず、現在の相場に対して基本的に強気に見ております。
「それじゃ、何所で買って、何所で売ればいいの?」と究極の質問がまいります。個別銘柄ではいろいろ材料の織り込み具合、テクニカル的な指標、加熱度などで判断してまいりますが、全体的、相対的には、仮にバブル相場に突入したとしても、兆候はありますが崩壊を察知するのは至難の業。
バブル崩壊を予言していた、などとその時になって騒ぐ輩はいますが、上昇初期から、1年も2年も前からバブルだ、崩壊だと騒ぎ、それまでの長い上昇相場で全く利益を得ていないか、更には空売りでやられているかのどちらかです。
じゃあ、尺度はないの?そこであれこれ言うよりも、VIX指数です。コロナ前の水準は12ポイントから15ポイント台で推移、過去30年のVIXの動きで見えてくるもの、これは重要なので別の機会に譲りますが、現状はその水準まではOKかと。これは外人投資家の最重要尺度の一つ、参考にしてください。
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