「ストレステスト」という言葉を連日、聞くようになりました。金融機関に経済の悪化に耐えられるだけの資本があるかどうかの審査もそう呼ばれます。
しかし、本来は企業の品質管理で使われてきた言葉なのです。例えば、自動車は車種によっては砂漠やジャングルでも平気で走れるよう、部品が高温や強い衝撃に耐えられるかを試験します。
電気自動車の蓄電池は車ごと水につけても性能が落ちないかを見るなど、過酷な耐久性試験の歴史があります。製品の品質を高め、日本のもの作りを支えてきた一つがストレステストなのです。
政府が決めた原発のストレステストも製造物の信頼性を調べる点は変わりませんが、原発事故から4か月も経とうというときに出てきたストレステストには唐突感が免れません。
また企業経営では、「方針管理」という言葉があるように、トップが常に製品の改善や対応を決めて、企業の進むべき方針を示します。
菅首相が打ち出した原発依存からの脱却は、抽象的で中身に乏しく、電力不足に悩む国民や産業界をさらに不安にさせるものでしかありません。今後、どのように原発を減らしていくのか、代替エネルギーの確保策など不透明のままで、肝心の具体策を一刻も早く国民に示してもらいたいものです。
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