米国では消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)ともに多少まだら模様はありつつも予想を下回る着地となり、トランプ関税下でインフレ懸念はあるものの米国企業が価格転嫁に慎重になっている姿が見られます。何せ値上げに対してはトランプ大統領がいい顔しませんので、現状では企業努力で吸収しているようです。
この結果から早速吠えたのはトランプ大統領です。「インフレは起こっていない、パウエル1%の利下げをしろ」と。パウエル議長の任期は来年5月までありますが、既に次のFRB議長はベッセント財務長官を指名するという話までしております。
ベッセント財務長官はトランプ政権の経済部門を八面六臂の活躍でまとめております。各国との関税交渉の中心人物として活躍している最中に失礼な話です。
そのベッセント氏によれば、友好国の関税猶予期間の延長を示唆しております。交渉が決着したのは英国だけで、カナダもだいたい済んだようですが6回の会談を行った日本ですらなにも伝わっておりません。
物理的にも7月8日までに残り17ヵ国の交渉をまとめるのは到底無理だと思われ、トランプ大統領は延期を認めないと言っておりますが、ベッセント氏のいうことが今回も正しいでしょう。
さて5月にトランプ氏はイランと核合意に向けた交渉があるのでイスラエルによるイランへの攻撃には反対していたはずです。米国とイランが仮に合意に達すれば、イスラエルとっては米国との共通の敵を失うことを意味するので攻撃に踏み切ったと…。
とすれば米国も舐められたものです。諸悪の根源はこの辺りですね、有事のドル買いが起こらないのも頷けます。有事のドルが買われないから円に資金が逃げて来ている。
従って、これで外国人投資家が売り方にまわるとは思えず、ボラが多少広がるものの東京市場に弱気になることはありませんし、更に東京市場への資金移動に拍車がかかるかと思われます。再び不安の崖を登ることになるかと…。
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