米国では雇用統計が市場予想を上回る内容でしたが、これが少々サプライズニュースとなり予想以上に主要三指数は反応したようです。トランプ関税の影響が読めない中で、普通設備投資だって、人員採用だってなかなか出来ないと思いますが、あまり数字には反映されておりませんでした。
前向きな報道が目立った米中交渉もレアアースが絡んで来ておりますので、米国にとっては待ったなしの課題であり、両者の歩みよる確率は高いのではないかと市場は見ているようです。
また、今週は消費者物価指数(CPI)が控えておりますが、こちらも意外に関税の影響が出ていないのではないかとの評価もあります。関税が施行され各米企業はコスト高を価格に反映したいところですが、インフレを嫌うトランプ氏がいい顔をしないようです。
米企業はその圧力に現状では企業努力で消化しているようですが、元々米企業は簡単に価格転嫁をして来た歴史がありますので、慣れない努力は何処かで業績悪化を招くのではないかと考えられます。
日本企業はプラザ合意以降の円高地獄でも、血のにじむ企業努力で利益を出せる体質強化に取り組んで来ましたが、果たして米企業にコスト増の苦しみの中で企業体質の改善が出来るのか疑問ですが…。
今週はCPIも注目ですが、サミット前に赤沢経済再生担当大臣とベッセント財務長官の6回目の会談が予定され、更にサミット時にはトランプ大統領と石破首相も会談が予定されております。4、5、6回矢継ぎ早の会談に結果が出て来るのではないでしょうか。
日本は関税の全面撤廃を求めているのに対し米国の対応は、全くゼロは無くとも中国との地理的な位置関係から抑えられた数字になるのではとの観測もあります。どちらにしても結果を急ぎたい米国の根負けを待つ戦略でしょう。
東京市場は、乱高下はあるものの循環物色による良い展開と思われます。動くものの後追いはさすがにダメですが、押し目買い後は少々我慢と言ったところでしょうか。
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