激しい嘔吐や下痢を引き起こすノロウイルスの新型が、今年初めから感染を広げています。過去最悪の被害を出した2006年以来の大流行の兆しがあるので、注意が必要です。
ノロウイルスには、ヒトに感染する遺伝子の型が31種類ありますが、従来は「G2・4」という型が流行の主流を占めてきましたが、今年からは新型「G2・17」が急激に増えています。
ウイルスは、変異によって新たなタイプが出てくると、ヒトがそれまで獲得した免疫が役に立たなくなるため、新型「G2・17」の発現で大きな流行になる恐れがあります。
患者の嘔吐物や便などウイルスで汚染された物に触った手などを介して口から感染するため、抵抗力の落ちた高齢者が多い施設や病院、それに保育園や幼稚園では集団感染に注意が必要です。
ノロウイルスにはワクチンや特別な薬がないため、治療は嘔吐や下痢によって脱水症状を起こさないよう水分を補給する対症療法が中心になります。
通常は数日間で自然に回復しますが、乳幼児や高齢者の場合、脱水症状を起こし、入院による点滴などが必要になります。
国立感染症研究所では、「ノロウイルスが世界中で急速に広がる可能性がある」として、注意喚起を促していますが、今年の秋以降に新たな「G2・17」型が流行の主流を占めた場合、2006年の時と同じような大流行になる恐れがあります。
予防には手洗いやうがいなどの徹底や食材の十分な加熱が重要です。
ノロウイルスの感染には現在の所持に有効な薬品がありませんが、「武田薬品工業」がワクチンの開発を進めています。
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