外国為替市場でユーロに下押し圧力が強まっています。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が12月の追加緩和を示唆したことで、対ドルで一時、2か月ぶりに1ユーロ=1.1ドルを下回りました。
金融緩和に動く欧州に対し、米国は12月以降の利上げを模索しており、欧米の金利差が開くことになれば、ユーロ相場は1ユーロ=1ドルという約13年ぶりの安値水準が視野に入ります。
ドラギ発言に加えてもう一つ、ユーロ安を後押しする要因が原油安です。ここ2年ほど、ユーロの対ドル相場は北海ブレントの価格はほぼ似た動きをしていましたが、8月以降は北海ブレントが安値水準で推移しているのに対し、ユーロは逆行して上昇しています。
ECBが検討する追加緩和策は2016年9月までの量的緩和の期限延長と政策金利のマイナス幅の拡大の2つとされます。派手な「バズーカ」ではありませんが、欧州と米国の金融政策の違いが意識されます。
足元では米独の金利差は2年物でおよそ1%ですが、これが1.2%程度まで広がれば、過去の相関から1ユーロ=1ドルに近づくことが想定できます。今後、ユーロ相場は下落トレンドが鮮明になっていくでしょう。
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