小さな傷なら、まるで生き物のように自然に直してしまう新素材の開発が脚光を浴びています。今日は特に優れたものを3つほど紹介します。
プラスチックのような板を金属のブラシでひっかくと、表面にできた傷が見る間に消えていく新素材が「ポリロタキサン」です。この新素材は、ネックレスがいくつもつながり漁網のような高分子になっており、尖ったもので引っ掻いても表面は力を逃がしてへこむだけで済み、へこみもリング同士の反発によりスポンジのようにすぐ元に戻ります。
次は軽量化のため旅客機の期待にも使われる「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」です。重さが鉄の約4分の1、強度は約10倍とされますが、衝撃が加わるために小さなひびが蓄積されていき、突然割れてしまう懸念がありました。
しかし、CFRPの樹脂に特殊な修復剤を入れた微小なカプセルを混ぜ、ひびが入るとカプセルも割れて修復剤が染み出し、ひびを埋めて固まります。1週間程度で元の強度に復元します。
3つ目は保湿剤などに使われる「ポリエチレングリコール」と呼ばれるゲル状の高分子です。この高分子は、多数のエチレングリコール分子がつながってできています。高分子になると4本の「腕」ができ、腕同士が鉄イオンを介して磁石のように引き合う力でつながっています。一度、腕が離れても鉄イオンがあれば再び引き合って元通りにつながります。簡単に取り出して修理できない人工臓器などへの応用が考えられています。
本日、ここで紹介した3つの新素材はいずれもノーベル賞並の新技術です。NASA(米航空宇宙局)でも、自己修復素材の研究に力を入れており、今後、株式市場でも大きなテーマとなることは間違いないでしょう。
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