昨今、「地政学リスク」という言葉が連日メディアを賑わせています。「地政学リスク」とは、特定の地域が抱える政治的・軍事的・社会的な高まりが、経済の先行きを不透明にするリスクのことです。
北朝鮮で核開発疑惑が浮上し、米国などによるイラク攻撃の可能性も高まっていた2002年9月、米連邦準備制度理事会(FRB)が声明で「地政学的なリスク」と表現し、金融市場でも認識されるようになりました。英語では「geopolitical risk」と呼びます。
最近の事例では、イスラム過激派組織による欧州などでのテロや中東情勢の緊迫化、16年の英国の欧州連合(EU)からの離脱決定などが挙げられます。
昨年17年は北朝鮮がミサイル発射や核実験を繰り返し、米国との緊張関係が高まった際に強く意識されました。
地政学リスクが高まると、投資家は運用リスクを回避しようと値動きの大きい株式などを売って、安全な資産とされる国債、金などに投資マネーが流れる方向になります。
また、外国為替市場では、比較的な安全な資産とされる円が買われるため、円高が進む傾向があります。
米国がシリア攻撃した昨年4月7日、円相場はその後、約2週間で3円50銭ほどの円高・ドル安に見舞われました。輸出企業の多い日本は、円高で収益悪化が危惧され、他国以上の株価下落を招きました。
世界経済に大きな影響を及ぼす可能性が高い、環境、社会、経済、地政学、テクノロジーの5大リスクの中で、長年上位にきていた経済リスクの順位が下がり、地政学リスクや社会リスクが上位にきているのが近年の傾向です。
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