ゲームストップ株におけるロビンフッターという個人投資家のグループとヘッジファンドの仕手戦は、ヘッジファンドの敗戦という形で今回は終わりましたが、いろいろと現在の証券行政では捉えきれない問題点を露呈いたしました。
この騒動には米テスラモーターズのCEOイーロン・マスク氏も参戦し、同氏はネット上で開かれたイベントで、今回の新興ネット証券ロビンフットの幹部らに一部銘柄の取引規制に不満を示し、理由や背景を追求しました。
マスクCEOは株式市場のみならず、仮想通貨の世界でもその一挙手一投足が話題になり、ビットコインも全面的に肯定し、先日もちょっとしたマスクCEOの呟きで、仮想通貨のトージコインが激しく動いたのは記憶に新しいところであります。
話はそれましたが、このロビンフッターはゲームストップ株のショートスクイーズ(空売りの締め上げ)が一段落すると、次にその矛先を商品市場に移し、同じく空売り残が溜まっている銀先物を標的とし、同じくレディット上で買いを呼びかけ、昨日NY銀先物は一時13%上昇しました。
共謀して空売りの締め上げを行うのは、違法な相場操縦に近いのですが、昨日も申し上げました通り、現行の法律はSNSに対応しておらず未知の分野ゆえ、現法では取り締まれないと思われます。
ここまで行くとこのロビンフッターも少々お行儀が悪いと思うのは筆者だけでしょうか、健全な証券市場のためにも新たなルール作りが必要かと存じます。
ただ、今回SEC(米証券取引委員会)委員長には、切れ者で金融業界の規制に積極的で、オバマ政権下リーマン危機後の金融規制強化を主導したゲーリー・ゲンスラー氏が就任します。金融業界は戦々恐々ですが、まずこの問題にどう取り組むか、手腕が問われるところであります。
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