岸田政権による景気対策が55.7兆円という規模でまとまり、民間資金を含む事業規模は78.9兆円という空前の規模であります。バラマキだなどの批判は相変わらず盛んでありますが、実際にお金が出てくる訳ですから、現状の経済にプラス効果が起こることは間違いありません。
国の支出分だけである国費だけで43.7兆円、財源の裏付けとなる21年度予算案で31.9兆円、民間資金を加えた額がこの規模になります。2020年4月に決定した緊急経済対策48.4兆円を上回る規模で、世界を見渡すとコロナ対策の財政規模は縮小する傾向にある中で、現状で過去最大のコロナ経済対策を打ち出す日本は、まさに異例であります。
昨日の日経新聞でもその経済対策の詳細について触れられておりましたが、欧米の経済対策の予算配分に比べて、成長戦略の分野については見劣りすることが窺えます。
世界的なカーボンニュートラルの流れの中で、例えば先日トヨタ、スバル、マツダ、ヤマハ、川重の5社連合による、EVに特化しない次世代燃料の開発での協力体制が固まりました。これは内燃機を残し、100万人からの雇用を守りながらカーボンニュートラルを達成しようとの試みであり、この優れた民間の活力を更に後押しするような予算編成が出来ないものかと切に思います。
新しい技術革新が絶対的に益々必要な分野です。民間の優れた技術に官が予算を付けて更に伸ばして行かなければ世界の中での日本の立ち位置は更に後退するばかりであります。
もしかすると、この5社連合は世界のエネルギー事情を大きく変える技術革新を起こすかもしれません。何故こういう素晴らしい取り組みに予算を宛がわないのか理解に苦しみます。
今回も現金給付ばかりが独り歩きしている印象ですが、勿論困っているところを助けるのは単なるバラマキとは一線を画すと考えますが、成長と分配の両輪でどうも分配に重きが置かれていると考えるのは筆者だけでしょうか。
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