先週の株式市場は比較的手掛かり材料が薄い中で、南アフリカの新型コロナウィルス変異株の出現で大きく動揺し、東京市場は900円を超える下落で、明けて米国市場も1000ドルを超える久しぶりの下げとなりました。
東京市場では空売り比率も50%を超えて、騰落レシオは74ポイント台まで下落し再び相場の分岐点を迎えているように思われます。先週金曜日は弊社にも多数の問い合わせがあり相場の先行きを不安視する声を数多くいただきました。
担保に絡む水準まで下げている状況ですから、心理的にはダメ押し的な状況ではないでしょうか。一昨夜のシカゴ取引所の日経平均先物は既に2万8000円を割れておりますので本日の東京市場ももう一押しあるかと思われます。
南アフリカでの変異ウィルスの今後の脅威については専門家の意見を待たなければなりませんが、相場的には米国市場を見ても調整を入れたいときの良いキッカケとなったのではないでしょうか。
米国市場は少々俯瞰していただくと、5週連続で上昇するのは珍しくS&P500ではコロナショック以来今回を含め2度しかありませんし、ダウでは今回が初めてです。当然調整が欲しいところでそれにふさわしい材料が出るのも相場の常です。
足元、懸念材料のコモディティ価格の上昇も、先行指標の銅価格も20%ほど下落、WTI原油も84ドルから67ドルまで下落し目先ピークアウト感が出てきており、更にもう一つの懸念材料のサプライチェーンの目詰まりも象徴的であった米国西海岸での港湾荷役作業の遅れも24時間体制が整いつつあります。
更に、それを映すコンテナ運賃指数の上昇ピッチが減速し始めております。各相場の重しとなる材料は明らかに改善方向となりつつある中で、結果的に次の場面に向かう調整となっているのではないかと思われます。
東京市場も首の皮一枚繋がる玉の整理も促進され、年末に向けての個別銘柄のラリーは健在かと思われます。木をしっかり見て、森である日経平均の動きにはあまり一喜一憂し過ぎない方がよろしいかと存じます。
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