米国経済は好調を維持しております。10月の鉱工業生産指数も前月比1.2%の伸びで事前予想の0.7%を上回っており、先日発表の小売売上高も1.4%増予想を1.7%増とこちらも好調で、年末商戦に対する期待も膨らみ今回はウォルマート、ホームデポなどが相場をけん引しております。
主役は変われど総論ではいつでも高値を更新できるのが米国市場で、言ってみれば世界のお金が米国に向かっているのが現状であると思われます。長期金利一つとっても米国は1.5から1.6%近辺で推移、比較すること日本では0.07%辺り、ドイツでも0.3%前後で推移しており、景気が回復すれば多少なりとも金利は上昇するものですが、これだけ見ても日本は依然として低空飛行であります。
現在のドル高、円安が納得いく水準であることがよく分かります。ではこの機に及んで外人投資家は売っているかというとそうでもありません。11月に入って先物のキャッチボールは相変わらず盛んですが、現物市場では1100憶円程度の買い越しであり、金額的にはしょぼいのですが、売らずとも様子見と言ったところではないでしょうか。
外人投資家も、如何に東京市場のバリュエーションが割安といえども、就任と同時に増税を口にする珍しい総理大臣の下実施される経済対策の内容と規模を確認したいというのが本音ではないでしょうか。
欧米市場に比べて動きの悪い東京市場ですが、見切りをつけるのであればとっくに売りたたいております。個別の企業業績は好調であることから少ないながらも10月も11月も買い越している訳で、きっかけ一つで上値を抜く種蒔きかと思われます。
個別銘柄は動いておりますが全体としては欲求不満といったところでありますが、1年通してモヤモヤ感漂うこんな動きの時期もあります。大きく下値を覗きに行くこともないので当欄で指摘の通り、11月後半戦辺りから主力の資金は動いてくるのではないかと思われますので、その辺りに期待しては如何かと存じます。