相変わらず上値の重い東京市場でありますが、9月末から岸田ショックとの名前がついてしまった急落で2万7293円まで下落し、その後2万9489円まで戻り、再び2万8472円まで押し、今回は直近2万9880まで戻し、押しては戻しのトレンドで下値は切り上げております。
テクニカル的には二点底目の2万8472円を割らなければ大きなトレンド崩しにはなりませんから、あまり悲観的に考えず、一昨日に申し上げた準備運動と考えた方が無難かと思われます。兎角思惑通りに運ばない相場に遭遇すると、悪い理由を探し始めるのが投資家心理という物です。
すると「隣の芝は青く見える」見えるとの論理から、悪い乗り換えを繰り返しがちになり易いのが溺れる者の心理であると思われます。個人投資家に出やすい傾向で、機関投資家には全く見られません。
昨日も申し上げましたが、今はその機関投資家の動きも緩慢ですから、無理をせずこういう時期もあるとの卓越した心構えで臨んでいただきたいと存じます。
一番物知りな相場とて、市場参加者の総意が株価を決めるわけですから、太い資金が本格的に動いていなければ、そのすきを縫って、個人投資家に毛の生えたぐらいの規模の仕手筋紛いの資金が跋扈しやすい状況が今の環境です。
弊社の調査でも浮上している、それなりの仕手っぽい銘柄は動いておりますが、ハナマルキ銘柄(注1)も多数ありますので裏付けなしに提灯を付ける(注2)のは注意が必要です。
「相場はよく間違える」と昨日も申し上げましたが、外人投資家に現在はあまり人気のない岸田首相ですが、政策の骨子が固まり予算がついてくれば、間違えるほどの割安環境の東京市場は是正されると存じます。
(注1)40年ほど前、強力仕手筋として一世を風靡した「誠備グループ」の総帥、加藤暠氏が黒川木徳証券(通称マルキ)から注文を出して育てた仕手株が「本マルキ」と言われ、それに模倣しただけの偽物「ハナマルキ」も多数存在しました。
(注2)大きく動く銘柄に追従して売買すること。
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