岸田政権による初めての補正予算、民間資金を含む事業規模は78.9兆円という空前の規模の経済対策の枠組みが先週末に決まり、迎える一昨日の東京市場は朝方から安寄りする有様で、少なくとも株式市場はあまり好感していない様相でありました。
バラマキだなどの批判は相変わらず盛んでありますし、昨年の新型コロナ対策補正予算のように、使われない張りぼての予算となるのではないかの疑いも拭えません。また未だ具体的な、どの分野に幾ら宛がうのかも示されておりませんので益々先が見えない状況には変わりないかとも思われます。
従いまして、具体的な成長戦略に期待していた資金の早速の売りは目立ちましたね。例えば少子高齢化に向けた対策として、政策が決まるまでは盛んに子供庁のことが囁かれておりましたが、いざ雛形が出来上がると、子供の文字は消えておりました。
更に、経済対策の規模を誇らしく語っておりましたが、傍らプライマリーバランスについても触れている辺りは、岸田総理はやはり本当は経済音痴なのでしょうかと、疑いたくなってしまいます。
景気は気です。総理大臣が先の増税に少しでも触れれば、慎重な大和民族は必要不可欠な消費以外控えるのは想像に難くありません。経済を回したければそういう細かい気配りが必要です。12月の予算審議を経て確定してまいりますが、そこではより分かり易い具体的な内容を望む次第であります。
それでも東京市場の個別銘柄はそれ程捨てたものではありません。日本固有のテーマが未だ分かりにくければ、世界が避けて通れない大きなテーマは変えようがなく関連銘柄は資金を集めます。アップルやマイクロソフトが再び新高値を更新しておりますのもその流れの一貫で、日本でも個別銘柄は元気に動いております。
まさしく「森より木を見る」相場で、個別銘柄に資金が集まりますので意外な値幅が取れてまいります。これから年末相場、個別の材料株の年末ラリーが面白くなりそうです。
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